赤髪の息子はDの名を持つ (ページ7)

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5話〜英雄とその孫Fin〜ページ7

　
　
　
『あ゛あああああ！！！！！殺す気かよクソジジイィィ！！！』

えー、あれから3年ほど経ちました。
天国の母さん、父さん…はそこにいないかもしれないけど、お元気ですか。

おれは今この世で一番死に近い人間かもしれません。
いやこれ結構本気で。

『なんでｯ、今日に限って群れなしてんだよｯ！！ただのデカい猫のくせにぃ！！』

一人、山の中に置いてかれたと思えば、虎を伸したら帰ってこいだなんて、横暴が過ぎる。
ジジイも虎が3匹もいるとは思ってなかっただろうけど。

今までだって虎に追いかけられたり、熊をボッコボコにしたり、ワニ仕留めたりしてたけど…さすがに素早い虎3匹は無理だろ！！！

虎も虎だぞ！！
一時間はおれのこと追いかけてるだろうが！！
そろそろ諦めろよな！

『ハァッハァッ、くそっ！ジジイにだけはｯ、頼らねぇ！！』

これはプライドというか意地だ。
ジジイに助けてって言うのも気に食わねぇしな！！

こうなったら……

おれはもう限界に近づいている体力を振り絞って、一気に走るスピードを上げた。
その勢いのまま地面を蹴ると、嘘みたいに体が跳ねて高い枝の上に乗れた。

…うわ、自分が一番びっくりだ。

木の上から消えたおれの匂いを探してうろつく虎を見る。
あとは…おれが熊と闘うときに使ってる木の棒で、3匹まとめてぶちのめしてやる。

なんかめちゃくちゃ堅い木でジジイが作ってくれた棒なんだ。
おれの身長より長くて扱うのに苦労したけど。

…さぁ、いっちょやるか！

『覚悟…しやがれ！！！』

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『ただいま』

ｶﾞｰﾌﾟ「なんじゃ。随分と遅かったな？」

『虎3匹にしては早かったよ。死んでたらどうしてくれんだ』

ｶﾞｰﾌﾟ「3匹だと？」

おれが森中追いかけ回されて一気に仕留めた話をすると、ジジイは腹を抱えて笑った。
一瞬、信じてくれてないと思ったけど、ひとしきり笑ったあとジジイはこう言った。

ｶﾞｰﾌﾟ「そこまで成長しているとは思わんかったな。もうわしもお役御免かもしれん」

『！……おれ、強く、なれたか？』

ｶﾞｰﾌﾟ「昔よりは強いわい。じゃが、鍛錬は怠らないことだな。わしからすれば、まだまだ青臭いぞ」

ジジイはおれの頭を撫でてくれた。

この日から、ジジイはあんまり来なくなった。
エースのとこに行ってるって聞いた。

あとは、シャンクスが迎えに来てくれればいいんだけどな。

　