4話〜英雄とその孫2〜 ページ6
眠りから醒めたおれにじいちゃんは言った。
おれとエースを他の島に連れて行くって。
それは困る。
おれはシャンクスとここでまた会おうって約束したんだ。
ここを離れたら、きっともうシャンクスと会うことはない。
それに…絶対じいちゃんに海兵にさせられる。
『…おれが、いやだって言ったら、じいちゃんは困る？』
ｶﾞｰﾌﾟ「なんじゃと…？ここに残ると言うのか？」
『ここで、一人で、強くなって生きていきたい。ここには、父さんと母さんとおれの全てが詰まってるんだ！！』
それらしいことを言ってみる。
だって、海賊になる約束をしたなんてじいちゃんに言えない。
そんなこと言ったら殺される……
ｶﾞｰﾌﾟ「………覚悟はしてるんじゃろうな」
『！！』
ｶﾞｰﾌﾟ「お前が一人の男として決めたことに反対する気などありゃせん。じゃが、生半可な気持ちで言うとるのなら話は別じゃ」
『お、おれ！本気だよ！一人でだって、生きていけるようになりたいんだ！』
じいちゃんはおれの目をじっと見つめたまま。
圧がすごくて、思わず視線を逸らしそうになる。
でも、ここで逃げちゃだめだ。
じいちゃんを説得しなきゃ。
ｶﾞｰﾌﾟ「…ぶわっはっはっはっ！！」
『！？』
ｶﾞｰﾌﾟ「お前の気持ちは十分伝わったぞ。よし。わしがお前を鍛えてやろう。一人で生きられるようにな。その前にエースだけは預けてくるとするか」
一人で勝手にちゃっちゃと決めて、じいちゃんはエースを連れて出ていった。
ぽかんとするおれに、それまで待っていろ、と言い残して。
さっきまで一人で寂しかったって言ってた子どもを置いていくのってどうなんだ、とも思ったけど、おれが望んだことだからな。
シャンクスと会う日までに、強くなって役に立てるようにならないと！
……あれ、これからじいちゃんと訓練するってことだよな。
おれ生きてられるのか…？
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作者名：しゅがぁ | 作成日時：2022年11月15日 0時
