10話 ページ12
シャンクスがベックマンを誘ってから一日。
ベックマンの答えは未だ“NO”だ。
ｼｬﾝｸｽ「なぁにが嫌なんだよぉ〜憧れねェか！？自由な海賊！！」
ﾍﾞｯｸ「いい加減しつこいぞ。おれは一人で旅をするのが好きなんだ」
ﾔｿｯﾌﾟ「ず〜っと旅だけしてるってのもつまらないもんだぜ！おれたちと航海！どうだ？」
『シャンクスたちとの航海に誘われてすぐ返事するやつなんていないと思うけどな…』
おれは別だけど。
だって約束したし。
でも普通はどう見たって不安要素しかないメンツと航海はしたくないだろ。
ﾍﾞｯｸ「息子のほうが理性ありそうだな？」
ｼｬﾝｸｽ「おいおいAそりゃないだろ〜」
さっきからベックマンにずっと息子呼ばわりされてる。
おれはシャンクスの息子じゃねぇっての…
『ベックマンもいい加減折れろよ。シャンクス結構しつこいんだから』
ｼｬﾝｸｽ「お前まで言うことねェだろA〜」
『肩組むな酒臭い離せ』
ﾔｿｯﾌﾟ「反抗期くるの早すぎねェか…？」
「Aく〜ん！これ向こうのテーブルに運んでくれない？」
『は〜い！今行きま〜す！』
シャンクスが入り浸ってる酒場は人手が足りてないらしくて、手伝ったらお駄賃くれるっていうから手を貸してる。
こういうとき子どもって便利だよな。
ﾍﾞｯｸ「…完全に猫被ってるな」
ｼｬﾝｸｽ「まァな。子どもは愛嬌が大事ってことよ〜く理解してるみたいだぜ」
ﾔｿｯﾌﾟ「あの年でそれを悟っちまってるのも悲しいもんだなぁ…」
シャンクスたちの視線を感じるけど無視無視。
おれは今目の前の綺麗なお客さんに集中。
…ま、母さんには負けるけどな。
『お待たせしました！』
「あらかわいい。坊や、ここで働いてるの？」
『少し手伝ってるだけ、ですけど！えへへ』
「偉いじゃない。チップあげるわ。お店の人にはナイショよ？」
『！ありがとうございます！』
…ラッキー。
おれもどこでこんな技を覚えたのかわからないけど、なんか口からスルスル出てくるんだよなぁ。
使えるものはとことん使わないと。
ﾔｿｯﾌﾟ「天然人たらしだな」
『天然じゃねぇし。舐めんな』
ﾔｿｯﾌﾟ「……まさかの自覚あり？」
『自覚しかないしむしろ確信犯』
ﾔｿｯﾌﾟ「やっぱおっかねェ子どもだお前は…」
『ひひっ』
一番親っぽいのヤソップなんだよな。
意外に。
…意外に。
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作者名：しゅがぁ | 作成日時：2022年11月15日 0時
