9話 ページ11
「よぉ、ガキ。イイもん持ってんじゃねぇか」
『…なんだよ。ただの貝だけど』
「
『ダイアル？知らねぇ。変なこと言ってないでどっか行けオッサン』
父さんが空島から持って帰ってきた
絶対に誰にも渡すわけにはいかない。
この中には、もう二度と手に入らない音が詰まってるんだ。
「大人には逆らうもんじゃねぇぞ？ほら渡せよ」
『いやだ』
「聞こえなかったか？おれが渡せって言ってんだ！おれが誰かわかってんのかァ！？」
『そっちこそ聞こえなかったかよ。いやだって言ったろ！』
「クソガキ！！」
手元に武器がない。
というか今ヤソップが調達してるところだし。
シャンクスは酒場で情報収集って言ってたな。
子どもが声をあげたら誰か助けてくれんのかな。
どうせ大人なんて皆見て見ぬふりするんだろ。
それに目立ち過ぎたら後がまずい。
シャンクスに迷惑だけはかけたくない。
音貝を胸に抱いたまま、男が腕を振りかざすのをじっと見つめていた。
…そうしたら。
?「子ども相手に何してんだ」
「い゛っ！関係ないやつは引っ込んでろ！！」
?「お前はおれの気分を害した。腕が惜しいならさっさと失せるんだな」
シャンクスよりも背が高そうな人が男の腕を捻り上げているのが目に入った。
助けてくれたんだ。
「覚えてろよ！！」
?「坊主、怪我はねェか？」
『あぁ！大丈夫だ！助けてくれてありがとう』
?「一人か？親は一緒じゃねェのか」
『うん。なぁ、アンタ名前は？この島の人か？』
?「いやおれは…旅人なんだ。いろいろと商船に乗って自由に旅をしてる。ベン・ベックマンだ。よろしくな坊主」
『おれはAだ。よろしくベックマン！』
さっきのベックマン強かったなぁ。
シャンクスが見てたらきっと仲間に誘おうとしただろうな。
おれはうまく誘える自信ないし、こんなやつがいたって報告だけでも…
ｼｬﾝｸｽ「よぉ！A！そこのアンタも！」
ﾍﾞｯｸ「…知り合いか？」
『おれの……親父だ』
ﾍﾞｯｸ「1ミリも似てないが」
ｼｬﾝｸｽ「だっはっはっ！！いいな親父って！」
口からでまかせが過ぎたか…
確かに似てるところが一つもない。
ベックマンとおれのほうが似てるかもしれない。
ｼｬﾝｸｽ「は〜笑った笑った……あ、お前、おれたちの仲間にならないか？」
ﾍﾞｯｸ「…は？」
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作者名：しゅがぁ | 作成日時：2022年11月15日 0時
