Short Story . (ページ12)

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…ショックだった

岸に好きな人が居るなんて、

私が聞いたのが悪いのは分かってるけど

好きな人に好きな人がいるのが

…こんなに苦しいなんて、想像出来なくて、

誰だろうとか、
もしかしてもう付き合ってる？とか

色々考えすぎてしまう

そして、

私が岸のこと好きな気持ちも

全部隠した。

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学校に着いてからもさっきの事ばっか考えて、

授業なんて集中出来たもんじゃない

……気が付くと、目から涙が溢れていた

"ごめん、先帰ってて"

と岸に連絡する

……赤く腫れた目見せる訳にはいかないから

『…っ、何してんだろ、私』

時間を今すぐにでも戻したい。

あんな事聞かなければ、
岸に好きな人がいる事に気が付かなければ、

今までみたいに普通に一緒に登下校だって

遊んだりだって出来たかもしれない

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「…あれ、A？」

名前を呼ばれた気がしたけど

今の私には振り返る勇気はなかった

「ちょ、A！

おい！！」

腕を掴まれる

思わず顔をあげてしまった

……顔見られちゃった、なんなんだろ、ほんと

岸は、一瞬驚いた顔をしたけど

気を使って何も聞いてこなかった

「なんだ、一緒に帰れんじゃん！！

…帰ろうぜ？笑」

『、ごめん、今日は一人で帰りたい』

さっき離された手が

もう一回私の腕を掴んで

…そっと抱き締められた

「…俺さ、お前の事ずっと好きだった」

『、、え、？』

堪えていた涙が両目から溢れ出す

「そんな顔されたら、

…抱き締めたくなるから。」

ぎゅっ、と腕の力が強くなる

「俺と、

付き合ってください、」

end.