Short Story . (ページ21)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:36,759 hit

3 ページ21

.

『だいじょう、ぶ、？！』

そこには、

全身水に濡れた平野くんと、

数人の男の人がいて

『どうしたの？！…なんかあった、？』

俯いたままで何も言わない

髪の毛からポタポタと音を立てて落ちる水

後ろから笑い声が聞こえて

『…これあんた達がやったの、？』

「ふは、掃除終わるついでにこの水かけてあげたの！(笑)」

「夏だから涼しいっしょ？(笑)」

怒りが込み上げる

『何馬鹿みたいな事してんの？』

「…え、？」

『高校生にもなっていじめ？

…そんな事してる暇あるなら勉強でもなんでもすれば、？

いやまずそんなに嫌いなら関わんなきゃいいでしょ

…行こ、』

濡れた平野くんの手を引いて足早に歩く

.

.

.

『大丈夫、？

良かった夏で…冬だったら地獄だよこれ…』

近くの公園に寄って、

ベンチに座りびちゃびちゃのブレザーやら靴下やらを絞る

「A、」

『ん？』

名前を呼ばれて平野くんの顔を見上げると

…きつく、抱き締められた

『え、？！

…平野く「嬉しかった

俺、昔から暴力ばっかで、

…気を付けようって思ってたんだけど

まさかAがあんなに言ってくれるなんて思わなくてさ

すげえ嬉しかった、俺」

『ふふ、平野くん、

…すっごい冷たい』

「あっ、ごめん」

離される手

『……でも涼しいから良い、！！！(笑)』

もう一回、私から抱きついた

end.