Short Story . (ページ14)

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向こうを向いていた一人の男の人が

ゆっくりとこちらを向く

「こっちこっち！」

友達が手を招く

スタスタと歩いてくる男の人

逸らしていた目が合った

「…え、

A、やんな、？」

黒髪だったあの髪は

茶色く染められていて

『あ、永瀬君！笑

久しぶり、だね、笑』

「やな、

元気やった？笑」

微笑む時の顔変わってないな、なんて。

『…元気だったよ笑

永瀬君は、？』

「俺もぼちぼちって感じやわ笑

あ、良かったらあっちで飲まん？

…久しぶりやから話したい」

『え、いいの？』

今日だけはその言葉に甘えたかった

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「覚えてる？学祭で紫耀1人コントやったの」

『あったあった、！！

めちゃくちゃ面白かったもん』

「変わってないな、A」

『そう？笑

…永瀬君もね』

「永瀬君、ってやめてくれへん？」

『え？』

「高校ん時みたいにさ、

…せめて下の名前で呼んでほしい」

真剣な顔で言うから

その綺麗な目に吸い込まれそうになった

『廉、君』

「あー、なんか懐かしいわ笑」

『久しぶりすぎて慣れないかも笑』

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「Aさ、

…彼氏とかいるん？」

『え？』