変わりたい俺は君を変えたい。【shkn】※学パロ

17話 ページ20

kn side

…周りからの目線が痛い。

髪を切ってサッパリしても、気持ちはあまり浮かないものだ。

クラスメイトにこそこそ話されているのがこちらでも分かる。


「…やっぱり、ダメなのかな」

小さく呟いた声は、誰にも届くことはなかった。



.
「登輝、おはよ」
「ぁ…おはよう…」
「どう？調子は」
「…まぁまぁ…かな」

爽くんと何気なく話す。

こんな時にも周りの目は冷たいものだった。


「爽〜」
クラスメイトの1人が爽くんに話しかける。

「爽いつまでそいつと居るつもりだ？爽までそいつみたいになるだろw」
笑いながら大きな声で言ってくる。

すると、僕に向かって鋭い目つきで言葉を投げつけた。
「…お前も、爽が本当は嫌なの知ってんだろ」

…そっか

…こんな僕に構ってくれる人なんて元からいなかったんだ。
全部、全部偽善だったんだな

悔しさと悲しさで涙が溢れそうになる。

それをクラスメイトは見て笑うだけだ。



しかし、それが一瞬にして静寂になる。

「いい加減にしろよ」

爽くんがいつもより低い声になって怒りをあらわにしている。


「おいおい怒ってんの？そんな奴のどこがいいってんだよ」

「お前らみたいなクズには関係ない。俺は話したいから話してんだよ。邪魔をするな」

最後の言葉を強調して、僕を連れて教室を出て行く。


クラスがピシャリと凍りついたのを僕は気づかない訳が無かった。





「…ごめん」

ある程度人がいないところについた途端、くるりと振り返って言われた。


「…俺の、せいだよな」

「なんで…？」

「俺が、弱いから、だよな…ごめん」

「…っ違うよ！！」



僕は爽くんの身体に思い切り抱きつく。

「爽くんは何も悪くない…それに…


助けてくれて、嬉しかった」


涙を浮かべ、にこりと微笑んで見せる。


爽くんの手が、僕の背中に移る。




「…登輝」

「…？」

「ここでこんなこと言うのもアレなんだけど…









俺さ、登輝の事が好きみたいなんだ」



「…！」






爽くんが、僕のことを？


好き？




多分…ここでこんな風に言うんだから、恋愛的な意味なんだろうな…


僕は…爽くんのこと、好きなのかな…



気持ちがぐるぐると駆け巡るせいで、答えが見つからない。






僕は…爽くんのことを、どう思ってるんだろうか…







「ごめん、いきなり。…教室戻ろうか」


「待って！」



答えは見つからなくとも、僕はありのまま答えを出す。


自然と手が爽くんの手首を掴んでいた。

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