16話 ページ19
kn side
爽くんに手を引かれて辿り着いたのは美容院。
僕には到底似合わないような場所なのに、驚く僕を連れて爽くんは中に入っていく。
『いらっしゃいませ〜…あ、鮫島さんでしたか！今日はどうされました？』
「彼の髪型をバッチリかっこよく変えちゃって下さい！」
突然肩をポンと叩かれる。
「ぇ、」
『了解しました！お兄さんは…それで大丈夫？』
美容師さんに問われる。
僕なんかが…こんなところで…
…でも、爽くんは僕のために動いてくれてるんだよね
じゃあ、僕も期待に応えなきゃいけない、ね
_____輝いて生きて欲しいから。
さっきの爽くんの言葉が脳内再生される。
…そう言われた時、なんだか…変な気持ちだった。
ドキドキして…少し嬉しくて…泣きそうになって…
…爽くんの表情が、誰よりも輝いて見えて。
…僕も、こんなに、人のために尽くせる人になりたかったな…
______いや、今からでも、なれるはず
爽くんが僕にしてくれたように、僕も何かしたい。
そう思ったら、勝手に口は動いていた。
「……はい…！」
後悔はしてない。
僕は、昔の僕じゃない。
これからの僕を生きるんだ。
席に連れられ、鏡に映った自分を見る。
…嫌な顔だ
自分の顔が世界で…いや、宇宙で一番嫌いだ。
そんな顔が前髪を切ることによって見えてしまうのも僕は嫌だ。
でも、爽くんは僕の顔を見た時、嫌そうじゃなかった。
…もしかしたら、今日…
______僕は僕のことを少しでも好きになれるかもしれない。
そう思うとなんだかワクワクが止まらなくなって自然と頬は緩む。
『お兄さん、髪サラサラしてますね〜！髪質もとても良いですよ！』
「ぇ、あ、ありがとう、ございます…？」
『こんなに髪が綺麗な人は中々いませんよ！』
褒めて、貰えた…？
嬉しい…
.
パラパラと短い髪が散っていく。
段々と整ってきて、視界も良くなる。
『はい！出来ましたよー！』
「…！」
鏡を見ると、明らかに元の僕ではない僕が座っているのが見えた。
「これ、僕…？」
『ですよ〜！すっごくかっこよくなったでしょ？』
「は、はぃ…！」
少し長めだった後ろ髪もサッパリ切られて、清楚系好青年のような髪型になった。
前髪も目に被らずとても楽だ。
すると爽くんがこちらに近づいてきて、僕の姿を見る。
「めっちゃかっこいいじゃん…似合ってるよ」
「っ！」
優しく囁かれた爽くんの声にドキドキしたのは内緒。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
