10話 ページ12
kn side
…明石古也。
幼稚園の頃から仲良しだった人。
小学校低学年の時、彼とは別れてしまった記憶が蘇る。
…彼は中国へ行ったんだっけな
ぼーっと思い出した記憶を眺めていると、
「登輝、あの時から変わったよね…何かあったの?」
僕の心に深く刺さる言葉が降ってきた。
僕は何も言うことができず、苦笑いで誤魔化した。
.
「じゃあ、僕はここで」
「…うん、ありが、とう、…」
このままじゃ不安だ、という古也くんの意見で、家まで送ってもらった。
笑顔で手を振る彼の姿は、何も変わっていないな。
僕も何か、できないかな。
…できないか。
僕は静かに家に戻った。
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br side
登輝を家まで送って、ふと腕時計を見る。
あ、やべ、約束の時間だ。
慌ててLINEを開き、『遅れる』と送信した。
…いやしかし、結構順調なのでは?
「…っふ」
誰にも気付かれることのない不敵な笑みを浮かべた。
.
「ごめーん遅れた〜!」
「おいおせーぞ、次の作戦立てるんだろ?」
「そうだったね!じゃあよろしく頼むよ」
登輝のクラスの男子生徒数名と合流し、本題に入る。
まだ日が暮れて間もない時間だけれど、どこか騒がしかったのはきっと僕たちのせいだろう。
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sh side
…そろそろ暗くなってきたな
近くのコンビニに寄り少し暇つぶしをする。
手頃なものをとりあえず買って、歩きながらでも食べるか…
お、あれ美味しそうじゃん
そう思った俺は思わずそれを購入し、外に出る。
そろそろ食べようか、と袋に手をかけた時、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
クラスメイト数人と…あれは確か…
登輝を助けてた奴?
いじめてたやつと助けたやつがなんで一緒にいるんだ?
少し隠れて話を聞いてみる。
すると、耳も塞ぎたくなるような酷い内容なんだと理解した。
「にしてもあれはやりすぎ!タヒんじゃったらどうするつもりだったの!?」
「あれも作戦のうちだろ?」
「そうだけどさー」
「まぁ俺らもあいつをいじめんの楽しかったし、明日はもっとやってもいいか?」
「んー…その時は僕がもっと早く助けにいくけど?」
「つまんな」
「…まぁ…僕の利益を考えたら…ギリギリまで苦しめてからの方がいいか…」
唖然とした。
あれは…全て自演だったのか?
…なら話は早い。
明日、か
チャンスはある。
俺はその場を離れ、明日、登輝の元へ向かうと誓った。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます!感想嬉しい限りです!!励みにして活動させていただきます…! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます!見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました(笑)凄く感動しました!ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます!ありがたい言葉嬉しい限りです〜!!番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください! (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます!!更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです!更新お疲れ様でした!番外編…!可能ならば書いていただきたい!長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます!今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです!更新頑張ります〜! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおみどり | 作成日時:2020年10月14日 7時