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運命的な偶然 ページ6

翌日⸺




私は自分の席に座りながら、昨日の男の子のことを考える


この学校に、あんな人がいると知らずに1年終わってしまっていたと思うとなんだかもったいないことをしたと思う





「桜江ー昨日はありがとねー!うちらすごい助かっちゃったー」





『あ…うん。』




あの女子生徒達が私に詰め寄ってくる。両手を合わせる仕草。


「またよろしくねっ!やっぱもつべきものは友達じゃん?ねー!」



上辺だけの言葉を並べて、都合よく私に同意を求めてくる。
すると、私への用は終わったのか、すぐさま私の前を通り過ぎていく





そして彼女たちが向かったのは私のすぐ隣の席。私に声をかけたときとは違う甘ったる良いような声が聞こえてくる





「ねぇねぇ糸師くん。今日は部活あるのー??」



「なければ私達と放課後遊び行こーよー!」



なんか、居づらい…。私の隣の席でそんなこと繰り広げるなんて。
咄嗟に息苦しさを感じて、席を立とうとする









「あ?生憎お前らと遊ぶほど暇じゃねぇ…」




苛立ちを含んだその声が、私の耳にはっきりと届いた





この声……




聞き覚えのある声。





昨日今日の事だから全く気づかなかった
ましてや私はずっと下を向きがちだから周りなんて見てなかった






流石にそのときだけは、俯いていた顔をあげ、隣の席を確認する







こんな運命的なことがあるのだろうか⸺









昨日助けてくれた彼はどの学年かも







どのクラスかもわかっていなかったのに







名前すら知らないその彼は⸺








まさかの私のお隣さんでした

隣の席の特権→←レンズ越しの彼



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作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

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