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爆弾投下 ページ48

機嫌が悪いような、ただの真顔に近いような、なんとも言えないような表情を浮かべる糸師くん
それは…どういう顔??




そして、私を⸺
正確には私と、未だマイペースに寝そうなほど気持ちいいような顔をしている凪先輩をみて、心なしか舌打ちが聞こえた気がした








すると、思いもよらない言葉が降ってくる










「おい…早々に浮気か…?」




え?⸺






固まってしまっている私
ただ、それは周りの先輩たちも同じのようで、誰一人として声を発しない





何がどうなっているのかわからずいると、
その中でも唯一しばらくして、
疑問の声をあげる者が一人






「おい、凛、浮気ってどういうこ⸺」




「てめぇも、色目使ってんじゃねぇ…」




「は!?色目!?!?!?」




世一先輩が言い切る前に、私に向けられた視線は、これでもかと言わんばかりの鋭い視線で世一先輩を突き刺す





「浮気って、凛ちゃんとAちゃん、付き合ってたの??」




いつからいつからっ!?⸺と、興味津々に食い気味の廻先輩




『ち、ちがっ…。あ、あの…糸師く⸺』



「あ?」



勘違いをされてしまう
そう思えば、否定のために糸師くんに助けを求めることにする⸺



が⸺





またしても、今度は私が言い終わる前にその少し和らいだ鋭い瞳が戻ってくる
そして私の様子を見れば深くため息をついて頭を抱えたかと思えば、私の腕を掴んで半ば強引に立たせてくる







「いくぞ…」





『えっ…あ、ちょっと待っ⸺』







ズンズンと腕をひかれて、唖然としている先輩たちなんかそっちのけで、校舎の中へと進んでいく



『糸師くんっ…』




廊下をどんどん進んでいく糸師くん
そして引かれてきた先は屋上
スッと腕を離した糸師くんに声をかけると、ゆっくりとその歩を止めて振り返る


無言で見つめてくる彼に、困惑するのが正直なところ



『あの…糸師くん…あんな言い方したら勘違いされちゃうよっ…』


するとしばらくぽかんと、糸師くんらしくない表情を浮かべる






「何のことだ」




糸師くん、ほんとにわかってないのかな…
それなら逆にこちらがその内容を伝えるのに恥ずかしくなる


『だ、だからっ…あんな言い方したら、私と糸師くんが付き合ってると思われちゃう…からっ…』





恥ずかしい…
糸師くんお願い、その事実にすぐ気づいてほしい…
そんなに彼は鈍感だっただろうか…






「………は?」

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作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

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