検索窓
今日:94 hit、昨日:52 hit、合計:10,466 hit

心情 ページ31

何人ものサッカー部の面々が珍しげなものを見るように、こちらを一斉に凝視する
すべての視線の的となった私は、固まったまま動けずにいると








「A、ほら、こっち座れって」





潔先輩が床に座り込み、自分の隣をポンポンと叩いてくれている
その横でニコニコと可愛らしい笑顔を浮かべる蜂楽先輩



その二人の姿を見れば安心して、潔先輩の隣へと座り込む





『ありがとう…ございますっ』













この知らない人が多い、しかも先輩たちばかりの中、私は体を強張らせながらお弁当を食べることになった



















⸺かと思われたが、実はそうでもなかった。











「へぇー、じゃあ凛ちゃん意外と女の子に優しいんだ♪」




「なんか意外だなー。自分に関係なければ構わなそうなタイプだと思ってたけど」






蜂楽先輩が糸師くんについて色々話題をふってくれたり、他の先輩方もフレンドリーな方が多かったおかげで思いの外、打ち解けた空間が出来上がっていた









「で、Aは凛が好きなのか?」







話で盛り上がる中、その堂々とした声にその場が静まる









「ばか、國神っ!そんなことこんな場所で女の子に聞くなって!」



「あ、わりぃ。まずかったか?」




潔先輩の指摘に焦ったような國神先輩を、周りの先輩たちも小馬鹿にするようにまたざわめき出す










"凛が好きなのか?"




國神先輩の言葉が頭に残る




私は⸺


















「あ……ご本人登場ー?」




凪先輩のその言葉に、一斉にみんなが渡り廊下の入り口を見る
するとタイムリーなことに、糸師くんがこっちを怪訝そうな顔で見ていた

今朝からちゃんと話していない糸師くん
そんな彼と、今日初めて目があった気がした
ただ、それもすぐにそらされてしまう



「あ、凛ちゃんも一緒に食べるー?今日はAちゃんもいるんだよ♪」




「うぜぇ、食わねー」



そう言うと、負のオーラをまとった彼は、私達の間を抜けて部室の方へと行ってしまいそうになる



「機嫌悪ー」




「なんだ?もしかしてAが俺らといるから不機嫌にでもなってんのかー?」



機嫌悪い?糸師くんが?
いつもとそこまで変わらないようにも見えたけど…

凪先輩はそれを察しとったようで声に出すと、それにあわせて御影先輩も発する







するとピタリと動きを止めた糸師くん
少しだけこちらを見れば、冷ややかな瞳が私達を見据える

破壊→←気まずい空気



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (8 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。