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最悪 ページ4

大量の荷物を抱え、階段をおりる

1年生のときは1階のため今まで皆無だった階段も、2年生になり2階に変わったことで少しばかり、おりる必要がある



ズシリとする重みと、足元の見えなさもあり、一段ずつ慎重におりる
というかこの重さ、本来なら二人で担当する量なのに、なぜ一人で持たなければいけないのか







まぁそれもこれも自分が断れない、自業自得な結果なのだけれども












そして階段にようやく終わりが見えてきた。
しかしちょうどその最後の一段に、荷物が置かれていたことに、大量の荷物で足元への視界塞がる私には到底わかるはずもない







『わっ…』







当然、その荷物に足を引っ掛け、盛大に転ぶことになる
その拍子に、抱えていた荷物は散乱し、おまけに運悪く眼鏡までもすっとんでいくという自体







『いたた…………』





不幸中の幸いで、打撲程度で大怪我には至らなかった







と、先程とは全く違う視界。ぐにゃぐにゃと視界が歪み、曖昧に視える世界。
そう、私は眼鏡を外すと本当に何も見えなくなるほどの目の悪さなのだ




『はぁ………やっちゃったなぁ…』








散乱した荷物を拾わなければいけないが、まずはそれを拾うための眼鏡を探さなければいけない。



手を床に這わせて、左右に動かして眼鏡を探す。見えなくてもせめて手に当たれば


が、しかしなかなか探し物は見つからず
どのくらいが過ぎただろうか










「おい……」




すると、どこからか氷のように冷たいような、それでいて高校生にしては落ち着いたような声が聞こえてきた








「そんなとこで座ってんな。邪魔だ…」





彼の声にビクッと肩が跳ねる
"座ってる?"⸺ということは、きっと私に話しかけてるんだよね…


たぶん知り合いじゃないのに邪魔って言われてる…
ちょっと怒ってる……みたい






『す、すみませんっ…今片付けますのでっ…』






顔を上げることができるはずもなく、俯きながら形だけでもと思い、散乱した荷物を視えない目を必死に凝らして、片付けようとする






しばらくたったと思う
結局荷物はなかなか集まらず、何が何なのかもさっぱり。わかるのは手探りで感じる質感だけ




『はぁ……』





「おい…」






油断した。とっくにいなくなってると思った声の主が、まだ近くにいたなんて…






『す、すみませんっ!!許してください!』





誠心誠意必死に顔を上げて、彼の方を見て謝る

レンズ越しの彼→←私



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作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

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