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勘違い ページ24

『あっ、あのっ…この間は…すみませんでした』






自分の失礼な行動に頭を下げる
すると困ったような慌てたような声が降ってくる






「えっ…いいよ別に!気にすることないから頭上げてっ」






顔を上げて先輩を見ると、人の良さそうな雰囲気の優しい視線を向けてくれる



「むしろ俺らこそ、ごめんね!全然知らない上級生に話しかけられたらそりゃ戸惑うよな…」








人差し指で頬をかき、逆に戸惑っている様子は本当に人の良さが滲み出ているよう









「そーいえば、この間も渡り廊下のあたりにいたけど、誰か待ってるの?


見たところ1人…みたいだし、他の女の子みたいに見に来てるわけじゃなさそうだから」




『ぁ…えっと…その…』








待ってる、と言われればそれは嘘になる。
なんと答えようか、しかも馬鹿正直に気になる人のことを見に来ましたなんて言うのが恥ずかしくなって戸惑ってもじもじしていると、
その様子を見た先輩が、少し笑うのがわかった









「あの中に彼氏でもいる?あんまりそういう話は聞いたことないけど…」




だとすると⸺と、グラウンドに目を向けて誰が自分の彼氏であるのかと詮索するような勘違いが始まる



『あのっ……』





慌てて否定しようとすれば、
それはグラウンド全体を響くホイッスルの音にかき消された









「あ、一旦休憩だ。どうする?呼んでくるか?」




『ぇ、いや…あのほんとに違って⸺』





「いーさぎー!!」






この勘違いを早く撤回しなくてはと、先輩に話しかけたとき
グラウンドの方から駆け寄ってくる、笑顔むき出しの男の子が走り寄ってきた






「蜂楽!お疲れ!!」






「今日も絶好調なのだ♪ってあれ、その子⸺」





近くへと来て、目の前の先輩とハイタッチをした黄色いインナーカラーの男の子
その黄色い瞳がこちらを見つめる






彼にも見覚えがあるのは気のせいではない

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作者名:あれん | 作成日時:2023年7月17日 23時

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