独占欲 ページ48
"やめろ"…と
"触るな"…と
そう言わんばかりの、少し恐れを感じさせるような瞳
普段の楽観的な蜂楽からは想像ができないような視線で射抜かれる
かわいらしいように見えてこれはとんでもない怪物だ⸺
だけどその瞳の奥には、なにが彼をそうさせるのだろうか、僅かな寂しさも兼ね備えている…そんなふうに感じられるような気がする
今だ手は掴まれたまま、俺達は見つめ合ったままだ
するとゆっくりと口を開いた
蜂「千切、、、触るとA、起きちゃうよ?」
千「…。でも俺達もう戻るし、ここに一人でおいておくわけにも行かないだろ?」
咄嗟に口実を作る
蜂「あー、まぁたしかにそれはそっか!」
蜂楽がAのことをどう思ってるかは知らないが、これ以上はこの状況に踏み込まないほうが吉だよな
千「んじゃ、俺は先に行くから。あとは蜂楽に任せるよ。お前ら、幼馴染なんだろ」
蜂楽の手を解き、立ち上がる。
A、お前はもっと安心して意識していいと思うぞ。そんなに悪い結果じゃなさそうなんだから
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千切が去っていってから、俺は目の前ですぅすぅと寝息を立てるAからしばらく目が離せなかった
その顔を見ていると、口元が自然に緩んでしまう。
遊んでやりたくなり、指で耳のあたりをスルっ⸺と撫でると、くすぐったそうに少し身をよじる
寝ながらも、んっ⸺と発する彼女は、いつも見る雰囲気とは違って見えた
蜂「A…」
その名前を呼べば、『めぐ…る…』と応えるかのように発した
さすがにこれには彼も驚いた
その無防備さに心がくすぐられるかのような感覚を覚える
⸺このままでいたい気持ちも山々だが、もう自分も行かなくてはならない
仕方なく、この目の前で気持ちよく眠る彼女を静かに抱きかかえると、
トレーニングルームをあとにするのだった
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あれん(プロフ) - あ〜ちゃんさん» ご指摘、ありがとうございました。訂正させていただきました🙏 (7月8日 18時) (レス) id: dbc60e9e1a (このIDを非表示/違反報告)
あ〜ちゃん(プロフ) - 絵心さんの自己紹介の所のことなんですけど、絵心甚八の八が抜けてますよ〜 (7月8日 15時) (レス) @page19 id: 10cf3f469f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あれん | 作成日時:2023年5月25日 0時