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こんのすけは歩いている間
私が置かれている状況と、やるべき事を教えてくれた。
まず、私は矢張り死んでいるという事。
そして天から授かった生を棄てた罰を受けるため、
そしてそれは棄てるべきものだったのか
もう一度見定めるためあの場所に呼ばれたという事。
こんのすけが先程言っていた“刀剣男士を育てる”とは?
と聞いたところ、詳しく説明してくれた。
今政府は審神者という職業を作り、
正史を守るべく、刀剣男士と契約を交わし
歴史遡行軍と戦っている。
ここまでは学校で習った通りだ。
しかし、ここからは初めて聞く事ばかりだった。
まず、刀剣男士は顕現したては歩く事すらままならないと言う。
だが女性が男士の体重を支え、歩いたりする事を教えるのは難しい。
そこで政府が試行錯誤した結果が今の私の状況だという。
どういう事かというと
自ら自身の命を投げた者の内、
霊力がそこそこある者を集め、その者達に
初期刀候補を自立出来る位に育てさせるというのが政府の案なのだ。
「つまり、私が今から会う初期刀候補を自立させる事が出来れば、
私は“本当の意味で”死ねるのですね?」
「いいえ
残念ながらそうではありません主様。
もし貴女様が本当に死にたいと思うのであれば、“生きたい”と思う事です。」
「………………つまり?」
「初期刀候補を育てるというのは只の罰に過ぎません。
生きたいと思わぬ者を輪廻転生の輪に入れても、来世でまた死ぬだけです。
その者が生きる価値を見出せねば
また辛い思いを繰り返すだけです。」
「…………」
「そしてこういった事が裏でされてるという事を誰かに言うのは禁止されております。
といっても、初期刀候補様達はもう知っておりますし、
誰かにいう手段自体無いのですがね」
誰かに口外する事が禁止されている理由は、なんとなく分かる。
強制的に魂に、罰とはいえ仕事をさせているというのは、
あまり良いものとされないだろうからだろう。
「着きましたぞ!」
そこには和風の家が一軒立っていた。
小さくも、大きくも無いが、
私と初期刀候補の2人で暮らすと思うと
少し大きい様な気もする。
こちらです、と言うこんのすけの後を付いて行くと
広間の様な部屋へと辿り着いた。
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作者名:赤羽美亜 | 作成日時:2018年11月4日 21時