言葉の無い愛【加州清光】

7話【完結】&後書き ページ25

泣き疲れて怠い体に力を込め
彼の元へ走り、抱きついた。



彼の心音は少し早くて


あぁ、ちゃんと生きてる


そう思うと安心で余計に涙が出てきた。






「も"う、
何で、何であんな事…！」


「ごめん主
でも、もう主を1人にしないから」





約束


と微笑みながら小指を差し出す彼の目元は
少し赤くなってて

きっと、彼なりに沢山悩んで
あんな行動に走って、それでもまた私の事を思って帰ってきてくれたんだろう。

そう考えると嬉しくて
いつのまにか涙は止まっていた。





これからは相手の未来を想うのではなく
2人の未来を2人で、考えていこう。









それから俺は、俺達は
ほんの少しの時を共に歩んだ。





「主は、俺に生きてて欲しいんだろうけどさ


主がこれからの幸せよりも、俺との幸せを選んでくれたように

………もし、もしさ
俺にも来世なんてものがあるんだったら

今度は人間に生まれて、また奇跡みたいに出会ってさ

戦なんて無縁の場所で、同じ時を刻んで生きたいなって
そう思うんだ


だから………」





また会おうね、主。









「や、薬研兄さん
桜の花びらが！」





「お、本当だ。

こんな真冬に桜なんてな………」









雪が降る寒い冬の日





審神者が息を引き取った後


真朱色の桜の花弁が空を舞った。








〜〜〜〜〜
※読まなくても大丈夫です


やっと完結しました。
最後までお付き合いしていただき、ありがとうございます


サブストーリーの“言葉にしなくて大丈夫”ですが、
言葉にしないからこんなすれ違いしたんじゃんと思われるかもしれません。

しかしそうではなく、こんな事があったからこそ、
これからこの2人は言葉になんてしなくても大体分かるような関係になっていく
そんな感じでサブストーリーの題はこれにしました。


最後加州は、老いて死んだ主の横で
輪廻転成の輪に入れる事を願いながら桜に還ります。

彼等の終わりは刀の形というのも好きですが、
今回は桜に還ってもらいました。
桜の中から生まれ、桜に還ります。


もう少しこの小説について話していたいのですが、
文字数に制限があるため次回の予告のようなものをしようと思います。

自 殺した人達が初期刀候補を初期刀とするまで育てるお話を書いています。
↑を見るとまるで子育てのようですが歌仙落ちです。

もうすぐテストですが時間を見つけて書いていこうと思います。

(聚楽亭イベ頑張りましょう！)

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