1話 ページ1
審神者として研修を終え、暫く経った日の事だった。
突然上司にメールで呼びつけられ、連れてこられたのは私の上司より遥かに偉い人達の部屋。
「君にはこの本丸に行ってもらう。
拒否権は無い。
まぁ何か困った事があったら何時でも協力しよう。」
そう言い終わると同時に突然本丸へのゲートが開いた。
目を開けると、
障子は破れ、襖には穴が空き、池や畑は枯れ果てたブラック本丸。
そしてこんのすけ。
「初めまして！
私、貴方様だけに仕える管狐。
こんのすけと申します！」
「………………初めまして。
ここは、ブラック本丸………ですよね」
こんのすけは、静かにコクリと頷いた。
まさか、初めての本丸がブラック本丸になるなんて思ってもみなかった。
が、仕方ない。
きっと、研修で成績の悪かった私は生贄にされたんだ。
仕方ない
ここで立ち止まっていても何も始まらないので、
私はこんのすけを抱き上げ、門をくぐった。
すると、紅い目の美しい男の子が現れた。
いつからそこにいたのだろうか。
「お前が新しい審神者だよね。
俺は加州清光。
皆んな広間に集まってるから、付いて来て」
彼はそれだけ言うと、さっさと歩いて行ってしまった。
私は慌てて彼を追いかける。
広間の前まで来ると、濃い血の匂いが私の恐怖心を煽った。
加州君は連れて来たよー、と気怠げに言いながら障子を開けた。
「こいつがここの新しい審神者。
ねぇ、ここに居る皆んなの傷治してよ」
「はい……」
私は軽く目を閉じ、手に意識を集中させた。
部屋には光の粒の様なモノが広がり、
刀剣男士達の傷が癒えてゆく。
彼らは目を見張って加州君の様子をうかがった。
「そう、こいつの霊力は極めて高い。
つまり、俺達が言霊縛りされる可能性がある。
だからはい、こっち向いてあーん」
私は何をされるのだろうかと戸惑ったが、大人しく口を開けた。
すると、加州君は私の口から後頭部に布を縛り付けた。
驚いて抵抗したが、彼はどうって事ない様に
猿轡として布をきつく結んだ。
「これで言霊は使えない
何か話したければそのスケッチブックとペンを使って筆談ね」
私は俯く事しか出来なかった。
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赤羽美海(プロフ) - 槝さん» コメントありがとうございます！！私的に三日月よりも初期刀の加州に「自分は1番古株だから、どんなに苦しくても頑張らなきゃ」って思ってたら萌えるな、と思い作りました。私も楽しく書かせてもらっているので、楽しいの共有が出来て嬉しいです！ (2018年9月14日 18時) (
レス) id: 49475d5f9c (このIDを非表示/違反報告)
槝 - 楽しく読ませて頂きました！ボス＝三日月が多いのは同感です、自満で小説書くくらい思ってたので共感者がいて嬉しかったです＊ (2018年9月14日 7時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽美亜 | 作成日時：2018年7月25日 18時
