2話 ページ2
目を覚ますと、そこは知らない部屋だった。
恋愛に飢え過ぎて、遂に携帯小説とかでよく見るトリップとか、目が覚めたらイケメンがいてとか、
そんな夢まで見るようになったのかと思うと、
恋愛ってやっぱり必要なんだなぁと思った。
しかし、どうやらこの部屋は女性のものらしく
部屋全体から女子力が漲っている。
そして、夢にしては意識や感触がはっきりしている事から、これは現実なのだと無意識のうちに脳は処理していた。
ここにずっと居ても仕方がないだろう。
倒れた私を保護してくれた人を探そうと部屋を出た。
最初は女性の一人暮らしかと勝手に思っていたが、この家は妙に広い。
田舎のお婆ちゃんの家と同じくらいの大きさがありそうだ。
私はここ十数年前東京で暮らしているが、なかなかこの大きさの家を見る事はない。
私はドアの隙間から灯りが覗く部屋を見つけ、
お礼を言って、今度お世話になったお詫びに少し高級なお茶菓子でも持ってこようと思いつつ扉を開けた。
一人暮らしではなさそうだとは思っていたが、最初に見た部屋があれだったから、女の人が居ると思っていた。
しかしそこに居たのは、
ヒトと言うにはあまりにも美しい男性だった。
長身な割に、細く白い体。
蜂蜜に金箔でも溶かしこんだような瞳。
柔らかそうな、少し長めの白髪。
………いや、銀髪なのだろうか。
見極めは難しい。
しかしイケメンは凄い。
シンプルな白のシャツと黒のスキニーパンツなのにこの存在感
目が離せない。
「おや、気が付いたかい」
「……はい、お陰様で。
私を保護してくださってありがとうございます。」
「今紅茶を淹れるよ。
ソファーで待っててくれ。」
「あ、いえ。
親が心配するので、もう帰ります。
ご迷惑おかけしました。」
そう言うと彼は困った様な、申し訳なさそうな、そんな表情で自分の手元に目線を落とした。
窓から覗く光は赤く、今は夏なことから6時頃だろうかと推測する。
沈黙は長かったのだろうか、私には分からない。
まるで神が手作りしたかの様な容姿を持つ彼の前では、時間も止まってしまう。
「…………君は、
もう、家族の元へは帰れない」
「………………は？」
この人は何を言っているのだろうか。
神様は容姿にこだわり過ぎた結果、中身は適当に作ってしまったのだろうか。
それとも中二病を拗らせたまま大人になってしまったのだろうか。
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赤羽美海(プロフ) - 鈴らんさん» 2人に辛い思いをさせた後ハッピーエンドというのが(私が)大好きで、その場面を書く時1番時間をかけ言葉選びをしているのが2人の心境を書く時なんです。なので分かりやすかったとか泣いたとか報告を聞くと、もう本当に嬉しくて…！ありがとうございます！頑張ります！ (2018年11月11日 21時) (
レス) id: 49475d5f9c (このIDを非表示/違反報告)
鈴らん - 最後まで見させていただきました！すごく良かったです！最後あたりは泣いちゃいました！2人の心境が深く分かり読みやすかったです！これからも頑張ってください！ (2018年11月11日 15時) (レス) id: caf1c1055f (このIDを非表示/違反報告)
赤羽美海(プロフ) - 蒼い薔薇さん» コメントありがとうございます！少しでも多くの人の心を揺さぶれるように、をMyスローガンとして頑張って書いているので、蒼い薔薇さんの涙腺をウルっとさせる事が出来たという事が分かり本当に嬉しく思っています！これからも頑張っていくので宜しくお願いします！ (2018年10月11日 21時) (レス) id: 49475d5f9c (このIDを非表示/違反報告)
蒼い薔薇(プロフ) - 完結おめでとうございます！初めて小説を読んで涙腺がウルっと来ました。（涙）これからも頑張ってください！ (2018年10月10日 6時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
赤羽美海(プロフ) - 黒風 黎さん» あぁあ！ありがとうございます！初めてのコメントなので嬉しいです！これからも応援よろしくお願いします！コメントすっごく嬉しいです！！！ (2018年7月21日 21時) (レス) id: 49475d5f9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤羽美亜 | 作成日時：2018年7月20日 16時
