相思相愛【赤羽業】 (ページ11)

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＊願い事＊ページ11

渚side

カルマ君が帰ってすぐ、Aと殺せんせーも教室を出ていった

取り残されたＥ組メンバーはポカーンとしている

誰かが口を開いたのをきっかけに、みんなが口々に思っていたことを話し出す

前「な……なんだったんだ、あいつら…(ﾎﾟｶｰﾝ」

岡「さぁ…(苦笑)」

磯「殺せんせーにダメージ与えたやつって…初めてだよな？」

片「うん…」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

教室中がざわめいている

まぁ、無理もないだろう

停学明けの生徒が来て

その生徒が殺せんせーの触手を弾きとばして

また殺せんせーを追い詰めたと思えば

帰っていって

しまいには、一緒にいたAまで殺せんせーを連れて帰っていった

皆の頭が混乱する中、僕は考えていた

──カルマ君は頭の回転がすごく速い

今もそうだ

先生が先生であるためには越えられない一線があるのを見抜いた上で、殺せんせーにギリギリの駆け引きを仕掛けている

けど、本質を見通す頭の良さと

どんな物でも扱いこなす器用さを

人とぶつかるために使ってしまう

─────

───

──

Aside

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

私と殺せんせーは空き教室に入った

夢「……」

殺「……」

夢「…殺せんせー」

殺「はい」

夢「１つ、お願いがあります」

殺「なんですか？」

──業を、元に戻してやってくれませんか…？

殺「元に戻す…とは？」

夢「業は、とっても優しいです」

殺「……」

夢「誤解されやすいけど…正義感に満ち溢れていて、意味もなく人を傷付けたりしません」

業の良さは、私が１番理解してる

夢「『あること』をきっかけに、「先生」を嫌うようになってしまいました」

『あの一件』以来、業は凄く哀しそうな目をする

私には何が出来るのか

何をするべきなのか

何度も、何度も考えた

でも…

夢「たくさんたくさん考えました。でも、何も思い浮かばなかった」

私が何をしても、多分、業の憎しみは晴れない

業はある意味「先生」という名の鎖に繋がれているのではないかと思う

夢「だから、お願いします」

もし、「先生」に縛られているのなら

それを解いてあげられるのは

業を元に戻せるのは

夢「業を、元に戻してあげてください」

──「先生」だけだ