【ハイキュー!!】ゆるふわヤンキーガール【赤葦京治】

39 ページ39

.





「はあ面白かった…………田中くんやばいねほんと面白すぎ。」




目尻に溜まった涙を拭いながら言うAに、田中は「そうだろうそうだろう俺様の面白さに気がついたか！！」と腕を組んでドヤ顔で返す。

…………最初のあのキョドリ様はどこ行ったんだ。









「……………明日って、自由時間だったよな。」





ボソッと呟いた縁下に、そういえば、と思い返す。


今回の合宿はいつも通り一週間あるのだが、宮城から来た高校も多いしリフレッシュも必要だろうから、と監督達が明日だけ観光しても良い自由時間を作ってくれた。

オーバーワークを防ぐためにも、明日は自主練は禁止になっている。






「みんなはどこに行くとか決まってるの？？」





Aが聞くと、「行きたいところはいっぱいあるんだけど、何にせよ土地勘ないし田中と西谷はウロチョロするだろうしであんまり決まってないんだよね。」と苦笑い気味に返す縁下に、ああ………と、どこか遠い目をするAと俺。

………確かにこの2人を操るのは大変そうだ。

木兎さんも面倒くさいけど、2人となるとその負担が倍だ。考えたくもない。







「あ、じゃあさ、赤葦とかいるしこの2年のメンツで東京回らね！？」





名案だ！という顔をして立ち上がる西谷に、明らかにゲッという顔をして抜け出そうとする孤爪を慌てて捕まえる山本。

…………なんで孤爪がこんなところにいるのか疑問だったけど、山本が連れてきたのか。

多分どっかでゲームをして時間を潰そうとしていたんだろうに可哀想だなと思ったけれども、まあたまには黒尾さん離れしても良いと思う。うん。









「いいじゃんいいじゃん。面白そうだし。」



「俺タピオカ飲みてぇな〜」






二口や矢巾も賛成なようで、さすが現代っ子というか何というか、もう既にスマホで行きたいところを調べだしている。









「……………Aは行くの？？」




「……あ〜、私はちょっと他に行きたいとこあるからみんなとは別行動になるかな。」




「…………そうなんだ。」






一緒に周りたかったな、なんて思ったけれども、まあAも流石に男子だけっていうのは嫌だよなあと自分を納得させつつ、行きたいところで盛り上がっている同期達を眺めた。

いらすと。→←38

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す