【ハイキュー!!】ゆるふわヤンキーガール【赤葦京治】

38 ページ38

.







「やばいやめて田中くんやばいほんとだめその顔」


「お、おま、まじでやばい笑いとまんねぇんだけど」


「しんどすぎ」


「ていうか赤葦が息してない」


「ギ、ギリギリしてる………。ブフッやばっ」



「…こんなツボった赤葦初めて見た。」







大きな声を上げて、息も出来ないぐらいに爆笑する俺達。


その視線の先には、全力で某動画投稿アプリの、T〇kTokの動画撮影を1人でする田中の姿。




……いや、ほんとにやばい。言葉では表せないが、とりあえず破壊力が凄い。









あ、これまでの経緯を説明すると、


烏野の2年生たちが座ったあと、「なんかおもしろそー。」と言いながら来た二口とそれに着いてきた青根を筆頭にして、矢巾、渡、孤爪、山本、福永など、合宿の参加校の2年がほぼ揃う形になって夕食が始まった。

最初こそ田中や西谷はタジタジだったが、Aが関東一の強さのヤンキーということを知ったり、色々な話をしたりしているうちに打ち解けて、自然に話せるようになった。





今はご飯も食べ終わり、片付けの合図が出るまでの賑やかタイム。





俺たちも最初は普通に談笑していたが、ふとT〇kTokの話になって「誰か撮ってみよーぜ！」という流れになり田中が撮ることに。



……そして、いかつい顔の田中が、とても可愛らしい曲を全力のぶりっこで踊る姿に全員の腹筋が崩壊。

田中もウケて嬉しいのかさらにぶりっこ感が増していくので、もう腹筋がもたない。



Aなんて今までに聞いたことがないぐらい大きな声で笑っている。









「ちょ、あの、やば、赤葦助けて……っ」



「っ！？」









突然、笑いながら俺に抱きついてくるAに、さっきまでツボっていた俺の笑いがサァッと引き、代わりにどんどん体が熱くなっていく。



…………おい、そこの二口ニヤニヤするな。









「あの、A、ちょっと………。」









赤くなった顔を逸らしながらAの肩を少し押す。









「…ぅあ、ご、ごめん。」









ハッと我に返ったような顔をして、すぐさま離れるAの体。





………あったかかった。


体温高いのかな、A。






(………って何考えてんだ、俺。変態か。)









「「…………。」」









俺とAの間に、気まずい空気が流れる。






幸い周りはテンションが上がっているので、二口以外は俺達の空気に気づいていないのは助かった。







(……早く、静まれ心臓。)

39→←37

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す