【ハイキュー!!】ゆるふわヤンキーガール【赤葦京治】

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高校2年生。梅雨から夏へと、季節の変わり目シーズンの今日。


休日の体育館は、今日も熱気に包まれる。







「あー暑いー…………」


「梅雨の蒸し暑さに夏の暑さがプラスされていますもんね……………」





そろそろ蝉も鳴き始め、俺達バレー部は暑さに耐えながらも、いつも通りの練習を続けていた。


今日も我らが主将、木兎さんは通常運転だ。





「そういえば、アイツは？」


「そういえば、来てねーな。」


「そういえば、寝坊したらしいですよ。」


「そういえば、もう来たらしいですよ。」



「「！？」」



「そういえば」合戦をしていると、俺の後に続いて、さっきまでなかった声が隣から発せられた。



その発生源の方を一斉に見る全員と、余裕気に鼻歌を歌っている本人。


金髪の長い髪が揺れると共に、彼女の黒く、大きな瞳が俺達の顔を捉える。






「A……………」




「こんにちは〜」




「また寝坊かよー！何回目だと思ってんだ！」



苦笑い混じりに言う木葉さん。



「すみません木葉せん……ぱい。布団が私の事を愛しくて愛しくてしょうがなくて離してくれないんですよ。」


「慣れない「先輩」呼びはやめろ。片言になってるし。俺別に先輩呼びされても喜ばねえ人種だからな！」


「すみませーん木葉さん……………ねむ……」









…………実は、遅刻したことを本人は寝坊と言っているが、本当の理由は違う。



実はAには小さい妹や弟がいるので、共働きの両親の代わりに保育園の送り迎えなどの世話をしなくてはいけないのだ。

Aはなるべく遅れないようにしているが、どうしても遅れてしまう時は自分から「寝坊」と言っている。

なんで？と聞いたら、「んー、なんか妹と弟のせいになっちゃってるみたいでいやじゃん？だから寝坊。」と笑いながら言っていた。


まあ、先輩達もこのことは知っているので何も言わない。

暗黙の了解ってやつ？






…………ちなみに、Aは関東のヤンキー界では最強の位置にいるらしい。

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