赤葦ペット

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ペット05 ページ6

A「じゃあまず、君の寝る場所作らなきゃね」

「別に俺はどこでもいいですよ。

厄介者なんですから床でも何でも」

A「これからここで暮らすんだからそんな事言ってられないでしょ。一晩だけならともかく」

そう。この青年はここで暮らすのだ。

付き合ってるわけでもセフレでも何でもない。

世間一般的には理解されることは無いだろう

『ペット』

という名目で。

A「じゃあそこのロフト使っていいわよ」

私が指差すのは少し広めで使いやすいロフト。

「広いね。このロフト」

登りながら話す。

そりゃそうだ。このマンションは結婚するつもりで買ったんだから。

A「結婚するつもりで買ったの」

「前の男は？」

ハシゴから降りながら何気なく聞く彼。

A「浮気相手を妊娠させて出てったわ」

タバコに火を付けながら答える。

別に隠す必要も無い。私は気にしてないから。

「ふーん」

それだけ言って何事も無かったかのように戻る彼。

あえて何も聞かないのだろうか。

それとも本当に興味が無いのか。

どちらにしろ彼の何の気ないか態度に少しだけ気が緩んだ気がした。