ペット02 ページ3
『正直彼女と居る方が楽なんだ。
俺、頭悪いし。君ほど稼げないしさ…』
別れる時に彼から言われた言葉。
浮気したのは向こうなのに悪者は私ってわけね。
毎日毎日頭痛がする。
家路に着くとマンションの前に置いてある大きめのダンボールが目に入った。
A「何これ粗大ゴミ？」
ここはゴミ置き場じゃねーよ、と少し強めに足蹴にした時、
「ん…」
A「!?」
死体………。
「手当どうもありがとうございました」
じゃなかった。
「すみません。色々と」
A「いや、それはいいんだけど。」
(なんでお前ダンボールに入ってたんだよ)
ダンボールの中に人間が居るなんて(しかも外に)初めての経験だった。
怪我の手当のためにとりあえず家に連れてきたけど
「お姉さん一人暮らしですか。広いですね」
A「え、あぁ、うん。まぁね。」
呑気に家の広さなんて話してる場合じゃないと思うのだが…
A「…君家は？」
恐る恐る聞くと
「あぁ。今は帰れないんですよね。」
A「帰れない？」
「はい。あ、でも俺いい人に拾われたな。あなたじゃなかったら今頃人身売買みたいな展開になっててもおかしくないですからね。」
真顔で言うから冗談かわからないんだけど。
A「捨て犬か……君は……」
溜息1つポツリと零れた。
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作者名：朱雀 | 作成日時：2015年12月11日 18時
