サンカク探し1 ページ6
ある休日の朝。廊下でばったり三角さんと鉢合わせた。
三角「A、おはよ〜」
「おはようございます。どこか行くんですか?」
三角「サンカク探しにいくんだ〜!Aも一緒にいく?」
そういえば、いつもどんな風にサンカクを探しているんだろう。ふと気になって、今日は特に予定もないし、と私は頷いた。
「一緒に行っていいですか?」
三角「うん!じゃあいこ〜!」
嬉しそうに笑う三角さんに手を引かれて、私は初めてのサンカク探しに出発した。
三角「いつも最初に見つけるサンカクはね、寮の屋根なんだ〜」
振り返る三角さんの視線を追う。
「ほんとだ、そういえばサンカクだったんですね」
三角「うん!他にもいっぱいあるよ」
三角さんと一緒に歩くと、いつもの道に案外たくさんのサンカクが隠れていることを知った。
しばらく歩いていると、三角さんが「あ!」と何かを見つけて駆け寄っていった。何だろうと私も後についていくと、どうやら猫の集会に出くわしたようで。
三角「新しいサンカク、どこかにあった〜?」
三角さんが猫に向かってそう問いかけると、何匹かが返事をするように鳴いた。
「三角さん、猫とお話できるんですか?」
三角「うん!あっちでサンカク見たって!」
「すごいですね……」
三角「Aにこんにちはって言ってるよ」
三角さんが通訳をしてくれて、
「ふふ、こんにちは」
と私も声をかければ、ニャー、と可愛らしい答えが返ってくる。本当に会話をしているみたいだ。
三角「猫さん、教えてくれてありがと〜!」
お礼を言って、猫が教えてくれたサンカクがある方向へと歩き出した。
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作者名:iha | 作成日時:2020年1月22日 18時