酔っ払いと罰 ページ16
綴「おはよう」
「おはようございます」
いつも通り、起きてくるみんなに挨拶をして朝食を出す。
綴「……A、もう大丈夫なのか？」
「？何がですか？」
綴「いや、大丈夫ならいい」
綴さん、どうしたんだろう。
綴さんの態度を不思議に思っていると、
「太一くん、おはよう」
太一「お、おはよッス…！」
太一くんもなんだか余所余所しいし、
真澄「おはよ。婚姻届、いつ出しに行く？」
「婚姻届…？」
真澄くんはなぜか結婚を前提に話をしてるし、
至「A、ぎゅーは？」
「え？何ですか？」
至さんは笑顔で腕を広げてくる。
監督「おはよう、A。今日も天使だね」
「お姉ちゃん。おはよう…あの、なんだかみんなの態度がいつもと違うんだけど、どうしたの？」
お姉ちゃんに聞いてみると、お姉ちゃんは少し困ったような顔で言い淀む。
監督「A、昨日のこと覚えてない？」
「昨日のこと？」
確か昨日は学校から帰って、キッチンでお水を飲んでから、部屋で課題をして……
その後の記憶がない。
「……私、何かした？」
監督「実はね…」
聞けば、私が水だと思って飲んだものはアルコール度数の高い日本酒だったらしい。そしてお姉ちゃんの口から語られる酔った私の醜態の数々に、思わず耳を塞ぎたくなった。
「うそ……ほんとに？」
監督「大変可愛らしゅうございました」
泣きたい。
真っ赤になっているであろう顔を両手で覆って、
「ご、ごめんなさい〜！！」
とみんながいるリビングから逃げ出した。
監督「A、お願い開けて〜」
臣「もうみんな気にしてないから大丈夫だぞ」
幸「むしろ何人かは喜んでたし」
綴「俺たちも忘れるから、な？」
部屋のドア越しに慰めの声が掛けられるけど、しばらくは私が部屋を出ることはなかった。
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作者名：iha | 作成日時：2020年1月22日 18時
