類は友をなんとやら。 (ページ40)

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終わりかけページ40

8月ももう半ばに突入してしまい、嫌いな夏にも終わりが見えれば少し寂しい

海から帰った後からみんなに会うたびに「今日も可愛い」なんて揶揄ってくるから、

記憶は曖昧だったけど何かしでかしたことはわかる。

目黒に会って迷惑をかけたところまでは覚えていたから謝罪のLINEを送ると「気にしないでください」って返ってきてた。

夏休みだからといっても課題も終わってしまってる訳で友達も少ない私は暇を持て余している。

毎年夏になると付き合いの悪くなるアイツらはほんとに欲望に忠実だと思う

昔、慎太郎に「なんで夏は忙しいの？」って聞いた時に、

「夏はみんなバカになっちゃうから遊びやすいの」なんて返ってきたのを覚えてる

その言葉に忠実に夏になるとみんなと距離ができて孤独を感じて少し寂しい。

かといって私も遊んでやろうと思うには外は暑すぎてそんな気分すら消えてしまう。

もうひと眠りしようかな、なんて怠惰を繰り返そうとしていたら電話が鳴った

「もしもし？」

「あーわりぃ、何してんの今」

電話は樹からのもので夏なのにめずらしい

「二度寝しようかなって」

「今から会わねぇ？」

「どこいくの？」

「とりあえず俺ん家来て」

要件だけ言い終わるとプツンと切れた電話に呆れる。

はぁ、なんてため息をつきながら準備を始めるけど久しぶりに人と会えるから浮き足立っていたのは自分でもわかっていた。

適当にまとめた髪にゆるい服装、そんなに高くないサンダルを履けば完成。

久しぶりに出た外は夏の終わりかけと言えど日差しも気温も本番そのもので。

「あついなぁ」

ぼそっと独り言をこぼしたら久しぶりに自分の声を聞いた気がするなーなんて。

しばらく歩けば見慣れたマンションに到着

オートロックを解除してインターホンを鳴らす

ガチャっと扉が開けば「待ってた」って一段と枯れた声で私を迎え入れる樹。