類は友をなんとやら。 (ページ38)

今日:7 hit、昨日:34 hit、合計:209,756 hit

• ページ38

樹side

目黒から引き取ったAと何も話さずに少しずつ歩き始めた。

「お前もうしんどくねぇの？」

あんまりにも喋らねぇから俺が振り返って聞いてみた

「ねーじゅり、水着似合ってなかった？」

Aが俯いたまま暗い声を出した。

「似合ってたよ」

「じゃーなんで最初に言ってくれないの」

「…お前それで拗ねてたの？」

俯いたまま黙り込んだかと思えば、Aは静かにの腕を掴んだ

「そうだよ、悪い？みんな私の水着見て黙り込んだくせに他の子には可愛いって言ってさ！私のこと海で1人にするし。」

普段は拗ねてるとか絶対に認めないAが目を潤ませながら捲し立てる

「ちょっと楽しみって思って来た私が馬鹿みたいじゃん」

Aの目からはポロッと雫がこぼれ落ちて咄嗟に抱きしめてしまった。

「海楽しみにしてくれてたのに、1人にしてごめんな」

「それだけ？」

「あと他の奴よりもお前が1番水着も似合ってるし可愛い」

俺がそう言うと満足そうに微笑むこいつは本当に手がかかる。

だけど、「じゃあ、手かして」って言いながら勝手に手を繋いでそれを揺らしながら歩くこの酔っぱらいが俺は大切らしい。