類は友をなんとやら。 (ページ37)

今日:28 hit、昨日:17 hit、合計:209,794 hit

• ページ37

「目黒ありがとう助かったわ」

「いえ、こちらこそ来てもらってすいません」

「それはこいつが悪いから笑」

樹くんは「おい起きろ」ってAさんの顔をペチペチ叩いた

目を覚ましたAさんに「お前着てたパーカーどこやったん」って樹くんが尋ねる

「パーカーこれです」

さっきAさんから脱がしたパーカーを樹くんに渡す

「お前どれだけみんなに迷惑かけんの」

樹くんが呆れた顔でAさんに呟いたらあかりさんの目が潤んだ

「じゅりたちが悪いんじゃん！うみいこって言ったくせにひとりにしてさ、だから来たくなかったの」

「もう今日は目黒と帰る」Aさんはそう言って俺に抱きついてきた

喧嘩の飛び火にどう動いていいかわからないでいたら樹くんが俺からAさんを引き離した

「ごめんな、今から俺がそばにいるから」

「じゅりうそつきだもん」

「ほんとだから俺と帰ろ」

樹くんが優しい顔で手を伸ばすとAさんはすんなりその手を取った

「めぐろ、迷惑かけてごめんね」

「また2人でご飯行きましょ」

謝る彼女の頭を優しく撫でると樹君がさりげなく腕を引いた。

ほんとに俺が連れて帰ってやればよかったかなぁ、なんて。

まぁいいや、どうせみんな今を変えられないんだろうし。

あれ以上の関係性にはどうせ進めないだろうし、俺の方が確率が高いかもしれない。

ゆっくり進めていこうと思いながら小さくなっていく2人の背中を眺めた