類は友をなんとやら。 (ページ32)

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“着替えたら海の家の前”

グループLINEのメッセージに従って更衣室の隣にある海の家に向かった

この水着着るぐらいならウェットスーツの方がマシだったかも。

更衣室の出口にある全身鏡をぼーっと見ながら適当に買ってしまった黒のビキニを今更恨む。

持ってきたはずの上着も忘れてしまってさらにテンションが下がってしまう。

更衣室を出てキョロキョロしていると海の家の前で騒いでいる慎太郎とジェシーくんの声が聞こえた。

「おまたせ」

小走りでみんなの方に向かうと一瞬みんなが黙り込んだ。

みんなが黙っちゃうから私もつられて黙る

その沈黙を破ったのは慎太郎で、

「ほら日焼けしちゃうから貸してあげる」

手に持ってたパーカーを私に羽織らせてくれた。

「ありがと、まじないす」

香水といいパーカーといい忘れ物しすぎなんだよな私は。

パーカーも慎太郎の匂いだ、ってなんて考えながらパーカーに袖を通した。

「じゃあ行くべ」

いつの間にか隣にいた樹が私のパーカーに手をかけてチャックを上まで閉めた。

そのまま私から荷物をとって、空いた手で私の手首を掴んで進み出す。

そんな樹を見てたら、どれだけ海が楽しみだったんだろうと思うと可愛いなあって頬が緩んだ