類は友をなんとやら。 (ページ17)

今日:4 hit、昨日:17 hit、合計:209,770 hit

• ページ17

お化粧直しという名の喫煙所までやってきた。

あと３０分滞在したらもう家に帰ってやろうと思いながら煙草に火をつけた

ふぅ、と煙を吐くとさっきまでのイライラが少し収まる

「合コン楽しくない？」

急に声をかけられてビクッとしたけどその声の方に向き直った

「えーと、名前何君だっけ、」

今日の合コンで自己紹介の直後からさっきまで女の子達に囲まれていた彼だった。

「えー、ひどいなぁ。俺はちゃんとAちゃんの名前覚えてたのに。」

そういってわたしの隣に並んだ

「松村北斗です、改めてよろしくね」

握手を求めているのか、謎にわたしの前に差し出された手を恐る恐る握った

「松村くんはなんで外に出てきたの？」

私が疑問をぶつけると松村くんはニコニコしたまま答えた。

「なんでかわかんない？」

「わかんない」

「Aちゃんが外に出て行くの見えてたからだよ。楽しくなさそうだなってずっと気になってたの」

腹は立ってたけど顔には出さないようにしてたのにそれを指摘されて少し驚いた。

「そろそろ俺もあのキーキーする声聞いてたらどうにかなっちゃいそうだからさ、2人で飲み直さない？」

松村くんはさっきまでニコニコと女の子達の相手をしてたのに、今はそれを平然と煙たがった

「松村くんは悪い男だね」

わたしがそう言ってフフって笑うと

「同じ匂いするでしょ？てか北斗でいいよ」

彼もそう言って同じように笑った

そのまま2人でみんなの方に戻って、

用事できたから、なんて明らかにわかる嘘を並べて2人で抜け出した

女の子はあからさまに私のこと睨んでいたから、せっかく我慢してここまではいたのに、とは思ったけど物事はなるようになる、だろう。

そのあと2人で飲み直し始めたら、お酒が回ってきたのか、ありえないぐらい話し出すこの目の前の男。

「松村うるさい」

わたしがベシッと頭をはたくと

「北斗って呼んでってば」

北斗はムッとした顔を浮かべて2人の距離が一気に縮まる

「ちゅーできそうだね？」

わたしがふざけて言ってみたら

「バカ言ってんじゃないよ！」

酔っ払いながらも俊敏にツッコミを入れてきて思わず笑い声を上げてしまう

今日初めてあったのにも関わらず北斗と飲み直した時間はすごく楽しかった

そのせいもあってかものすごくお酒も進んだ。