歪なのかもしれないね (ページ19)

今日:5 hit、昨日:10 hit、合計:31,019 hit

• ページ19

いつも樹と会う時は樹の家の最寄駅で集合してそのまま樹の家に直行しかしたことがなかった

なのに私の手を引く樹と歩く道は普段の道とは異なっていて疑問に思う

「樹って引っ越したの？」

わたしの質問に不思議そうな顔をして

「別に引っ越してねぇけど」

じゃあ尚更今はどこに向かってるかわからなくなってしまう

「普通に飯食おうと思って」

それだけ言ってまた歩き出した樹の背中を見つめながらとりあえずついていく

樹とはもうこういう関係になってしまってからは長いけど

いつもは彼女さんに気を遣ってか、はたまた樹がめんどくさかっただけか家にしか行ったことがなかった

なんかいつもと違うなって今日最初に会った時から思ってた疑問みたいなのが私の中では募ってた

でもわたしに話しかけてくる樹はまぁそんなことなんて何も気にも留めないで

「おまえちょっと太った？」

なんてデリカシーのないことを言いながら笑ってわたしの少し前を歩いてて

わたしが太ったことについて何も返さないでいたら

「あれだぞ？あの、前までが本当に細かったし！！てか冗談だから、な！？」

いつも余裕な樹が私の顔を覗き込んで慌てて否定してくるからその様子が可笑しくて吹き出してしまった

その後もポツポツと会話を樹と続けながらあまり知らない道を歩くのはすごく楽しかった。