歪なのかもしれないね (ページ2)

今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:31,024 hit

• ページ2

隣で大口をあけて寝ている樹を確認して帰る支度を始める

自分の服を身につけると、嗅ぎ慣れた自分の匂いだけじゃなくて樹の甘いバニラと煙草の匂いがする

私と樹の混ざった匂いが嬉しいのと同時に虚しさが襲ってきて涙が流れる

キスだってそれ以上のことだってしてるのになんで樹は私のものじゃないんだろう

私に偽りの愛を吐いた後も樹の手には指輪がきちんとはめられているのに

こんなに好きでもどうして気持ちの大きさは同じになってくれないんだろう

泣いてたら、樹にめんどくさいって思われちゃう

好きになってくれない、なんてことはわかりきったことだけど。

それでも樹に嫌われることだけはしたくない

樹にはそれらしいメッセージをおくって

ポストに鍵を入れて樹の家を後にした

樹の家を出た後も私の涙はなぜだか止まらなくて、

やっぱり私の頭の中は樹でいっぱいなんだと痛感する。

流れた涙も朝日がジリジリ乾かしてくれた

ほんの少しだけど憂鬱だった気持ちが晴れたような気がした。