39話 ページ40
tn:もうすぐ着くで
A:ん
気付けば窓の外には見慣れた街並み
場を逃れるためにゾムさんとの思い出を
遡っていたら私のマンションはすぐだった
頭がお酒に飲まれた時のように
浮遊感を覚え体が何だか重たい
思い出す物を間違えたか
tn:大丈夫か
A:ん〜まあ
tn:嘘言え
お前なんかぼーっとしとるやんけ
別に急いでへんしゆっくりしてけや
こいつの目は千里眼か何かなのだろうか
いや私がうまく隠せていなかったのだろうか
富田林は私を気遣うように時間をくれた
何の会話もない車内で
先程の出来事がフラッシュバックされる
私の腕を掴む熱くなった手
私に渇望するような目付き
苦しそうに歪めた眉
思い出す度胸が痛くなる
やはり私は間違ってしまったのだろうか
悪いのは私の方じゃないんだろうか
「っおい」
ふと右から発せられた声が
私を現実へと引き戻した
何事か、と思い声がした方を向く
そこには眉を顰めて
まるで私に怒りを覚えるような
否、心配しているかのような顔があった
A:何?
tn:お前何か勘違いしとるやろ
A……:は?
tn:言っとくけど今回の件は
見てる限り互いのすれ違いからやろ?
それやったらどっちが悪いとかあらへん
真っ直ぐ私を見つめる目は
まるで俺についてこいと言わんばかりに
眩しくキラキラとしていた
tn:だからそんなに自分を追い込むな
ま、全ては話聞いてからやけど
ほら行くで、もうええやろ
硬く固められた髪を掻き
外へ出て行く富田林
開いたドアからムワッと熱気が入り込む
自分を追い込むな、か……
tn:ほら何してんねん、行くで!
再度熱気を感じながら
差し伸べられた手を取って
私は薄暗い中富田林と自室に移動した
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aka(プロフ) - 猫大好きさん» 長らくお待たせしてしまってすみませんがもうしばらくお待ちください! (2020年9月25日 20時) (レス) id: 3ca6b92f9e (このIDを非表示/違反報告)
aka(プロフ) - 猫大好きさん» コメントありがとうございます!自分も復縁を望まれたらなんだかんだ許してあげたくなるタイプなのでめちゃくちゃわかりますw私情を語るのは良くないと分かっているのですが実は受験を控えておりましてそれが終わり次第更新するつもりです。 (2020年9月25日 20時) (レス) id: 3ca6b92f9e (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - 私はzmさんみたいに「戻そうや」とか何回も言われたら、断れないんですよ!相手が可哀想だなーっておもっちゃって、、、それよりもめっちゃ面白かったです。更新頑張ってください! (2020年9月24日 17時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
aka(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます!自分もあまり長引いてしまうものは好きではなく、かといって短過ぎると何だか味気ない、と思い色々と考えながら書き進めておりますがその甲斐があったようで嬉しく思います。大変ありがたいお言葉、応援ありがとうございます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 2a170ee0f1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - この作品は全然読んでいて苦になりませんでした。それくらいにこの作品が大好きです。続きを楽しみにしています!長文失礼しました!陰ながら応援しております!! (2019年9月6日 14時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aka | 作成日時:2019年5月21日 13時