36話 ページ37
tn:何してんねんお前!!!!
怒号が発せられた方に視線をやると
逆光で暗くなった顔に大きく目を見開いて
肩で息をする富田林がいた
A:とんっ……!
目が慣れてきて徐々に鮮明になった顔は
怒りの標的が私で無いのにも関わらず
背筋が凍るほどのものであった
恐怖のあまりひゅっと喉が鳴る
tn:離れろ!!!お前何しとってん!!!
zm:何って、キスやけど?
tn:っ!!お前ほんまにふざけんなよ!!!
私を守るようにゾムさんから距離を取り
片腕を広げて間に入る
富田林のシャツにしがみつき声を殺す
ちらり、と表道の方に目をやると
富田林の怒号を聞いてか
チラチラと視線をやりながら人が通る
zm:ええやろ別に
好きなもん同士がすんのは普通やろ
意識は再び二人方へ
とんでもない発言に
富田林の体が震え雷が落ちる
tn:どう見ても嫌がっとったやろ!!
女に毒されて目でも腐ったんか!!!
大きな富田林よりも背の高いゾムさんは
肩越しに怯える私を覗き込む
視線を合わさぬ様に必死に俯いた
zm:______……すまん
弱々しく謝罪をしゾムさんは
勢いよく路地裏から出て行った
嵐が過ぎた様に場の空気が冷める
本当にこれで良かったのだろうか
私は罪を償う必要はなかったのだろうか
頭の中でぐるぐると溢れ始めた後悔
握りしめた手を緩めると
皺くちゃになったシャツが自由になる
足の力が抜けその場に崩れ落ちた
tn:っおい!しっかりしろや!!
大丈夫か!?なんか、水とか……
A: ……だいじょぶ、やから
少しだけ……時間ちょうだい
心配そうに覗き込む富田林の顔を見ると
少しだけ気持ちが楽になって
蠢く後悔は徐々に勢いを失っていった
1101人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
aka(プロフ) - 猫大好きさん» 長らくお待たせしてしまってすみませんがもうしばらくお待ちください! (2020年9月25日 20時) (レス) id: 3ca6b92f9e (このIDを非表示/違反報告)
aka(プロフ) - 猫大好きさん» コメントありがとうございます!自分も復縁を望まれたらなんだかんだ許してあげたくなるタイプなのでめちゃくちゃわかりますw私情を語るのは良くないと分かっているのですが実は受験を控えておりましてそれが終わり次第更新するつもりです。 (2020年9月25日 20時) (レス) id: 3ca6b92f9e (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - 私はzmさんみたいに「戻そうや」とか何回も言われたら、断れないんですよ!相手が可哀想だなーっておもっちゃって、、、それよりもめっちゃ面白かったです。更新頑張ってください! (2020年9月24日 17時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
aka(プロフ) - 琴葉さん» コメントありがとうございます!自分もあまり長引いてしまうものは好きではなく、かといって短過ぎると何だか味気ない、と思い色々と考えながら書き進めておりますがその甲斐があったようで嬉しく思います。大変ありがたいお言葉、応援ありがとうございます! (2019年9月7日 21時) (レス) id: 2a170ee0f1 (このIDを非表示/違反報告)
琴葉(プロフ) - この作品は全然読んでいて苦になりませんでした。それくらいにこの作品が大好きです。続きを楽しみにしています!長文失礼しました!陰ながら応援しております!! (2019年9月6日 14時) (レス) id: fea4b79f15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:aka | 作成日時:2019年5月21日 13時