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4 普通の生活 ページ6

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どうやら私達はとんでもない子を後輩に持ってしまったらしい


冷蔵庫の中のジャムを全て出し、ハチミツやバター、シナモンまで出してきて全て食パンにかけてうまいと言いながら貪り食っているのは新人のデンジ君

もちろんテーブルの上はグチャグチャのベトベトのジャムだらけ

私は背の高いアキ君の肩にポンッと手を乗せ宥めた
彼から怒りのオーラを微かに感じる



「……」

『…落ち着こうアキ君』






バンバンバンと家中に響く音

お風呂特有の反響する決して上手とは言えない歌声


音の元へ行くと呆然と立ち尽くすアキ君


「……」

『…落ち着こうねアキ君、うん』









そしてついに、デンジ君がトイレで寝たのだ


明らかジャム事件の時より眉間に皺がよっているアキ君
今にも身を乗り出しそうな腕を掴んで必死に宥めた


『アキ君！アキ君落ち着いて！まだ子供！子供なんだよ！』

「糞っ！」



野良犬とほぼ変わらないような生活をしてきたデンジ君に、１から日常生活を教えなければならない

それは生まれてこの方、普通の日常生活を送ってきた私たちにとってはかなりの重労働であった






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「あ！もしかして風呂入ってんのAちゃん？俺も一緒に入ろーっと！」


『は？！』




風呂！？

一緒に入る！？



『ちょ、ちょっと待った！！
アキくーん！！助けてアキ君！おーい！！』

「ああアイツならさっきコンビニ行ったぜ？」


『うそ』




そんな絶望的な事ある？

とりあえず湯船から上がって、
ドアを押さえて、お、押さえて…
押さえて力で勝てるのか
いくらまだ10代？とはいえ男の子だし、私は女で力の差が圧倒的だ





「あれっ、開かないんだけど… Aちゃん開けて〜！」

『無理！絶対無理！もうお風呂一緒に入る歳じゃないの！アキ君早く帰ってきて！』


ドアの外と内で押し合いっこをしていると、玄関のドアが開いた音がして必死にお風呂場から叫ぶ


『アキ君！！アキ君助けて！デンジ君が！』

「はっ？！またアイツなんかしたのか？」



バンっと勢いよく脱衣所のドアが開くと、一気に外からドアを押す力が無くなり、ズルズルと引きずられて出て行くデンジ君の声が聞こえた



お風呂を済ませてリビングに戻ると、とんでもない仏頂面で風呂は一人で入るもんだとデンジ君を説教するアキ君の姿があったのだった


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