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43 見えない未来 ページ45

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「ご指導ありがとうございました！！」


「ありがとうございました」





対魔２課の野茂に呼ばれ、２課の訓練施設までやってきたアキと天使、そしてA



「アキィ〜わざわざ来てもらってすまないな
まさかAちゃんも連れてきてくれるなんて
２課に華が咲いたようだぜ」

「野茂さんの頼みは断れません
Aはたまたま一緒に行動していたので…」

「おお？そうか？
なら今からでもAちゃん連れて２課に戻って来い」


「 (A連れて、か) 」


野茂が視線を移すと続いてアキもAへ視線を移す

張本人はひとり長椅子に腰掛け既に真っ暗になった外を眺めている
野茂が言った通り、Aは男臭い道場の中ポツンと咲く華のようだった

視線に気付いたのかアキの方を向き微笑みながら首を傾ける
どうしたの？と言わんばかりの表情だ





「相変わらずだよな、Aちゃん」

「…？ どういうことですか？」

「相変わらず可愛いって事〜
あんなに可愛いのに、俺らに引けを取らないくらい強い」



もちろん、アキは気付いていた

野茂がAへ向ける視線が、いや、野茂だけではない公安特異課の男複数名から向けられる視線が全て同じ意味を持つという事に


それに、少し焦りを感じている事にも






「心配しなくても取らねえよ！
まあさ、順当にいけば５年後には俺が副隊長になる
そうなったら本気でお前も、Aちゃんも２課に誘うからな」




“５年後”


その時きっと彼女の隣に自分はいない
彼女は自分みたいに危険な悪魔と契約はしていない
寿命を吸い取られる事も無いわけだから、職業上どこまで生きられるかは分からないが、自分より長くは生きられるだろう

２課に戻る事を誰も止めない、その未来がいつかは来るのだ


ガヤガヤとするなか、Aが急に立ち上がり焦った表情で道場を飛び出していった事には誰も気付かなかった




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