あなたの隣 (ページ8)

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「岩田さんとこうちゃんさんはお知り合いだったんですか？」

「そうなんです。小中が一緒で親も仲良かったので。よく一緒に遊んでいました。最近はすっかり離れていたんですけどね。」

あ、あと、と付け足す。

「加藤さんのほうが年上ですし、敬語じゃなくて結構ですよ。それにあゆみ、で構いません。」

そういった後に、加藤さんがそういう風に距離を詰められるの苦手だったらどうしよう、と不安になる。ただそれも杞憂だったようで

「あ、えと、じゃああゆみちゃん、って呼ばせていただ、、、呼ばせてもらうね。私のことも春香、で構わないから！」

優しく微笑んでくれたが、流石に年上を呼び捨てにもできない。

「じゃあ、間をとって春香さん、にしますね。改めてこれからよろしくお願いします。」

「ええ、こちらこそ！」
春香さんとの距離が縮まったようでうれしくなる。その後も好きな本の話などをしていると

「ねえ、ごめんちょっとコンビニ寄っていい？飲み物とか買いたくて」

とこうちゃんが振り返った。時間的にも余裕なのでOKサインを出す。山本さんも何か買いたいものがあるらしいのかこうちゃんと一緒にいったため、コンビニの前で春香さんと二人で待つことになった。

「あ、星が見える」

春香さんがぽつっとつぶやく。同じように夜空を見上げると都会にしては珍しく、いくつかの星が瞬いていた。澄んだ空気と相まって胸のなかが言いようのない幸福感で包まれる。まるで私の新たな１歩を歓迎してくれているようだった。そのまま二人で空を見たまま話していると

「お待たせ！」
と二人が戻ってきた。