転生したら、主人公の兄貴なんだが？

お泊まり ページ15

「A。新一。」

「あ、陣兄ちゃん！」

「俺も居るよ〜」

「研兄さんまで」

時は流れ、あの爆破事件から一年後。俺は中学2年生、新一は小学5年生へと進級した。相変わらず陣兄さんは爆処のエース。研兄さんは警察を休職して、リハビリの最中。もう時期復職するって聞いたけど、無理してないといいけど。
そんな陣兄さんと研兄さんが工藤家にやってきた。理由は単純。今日は母さんと父さんが居ないからだ。父さんの作品の授賞式に、母さんも同伴することになり今日だけ2人が居ない。中学生の俺だけならまだ良かったかもしれないけど、新一はまだ小学生だしね。偶然非番だった陣兄さんに母さんは頼み、2人が泊まりにきたということだ。

「いらっしゃい2人とも！」

「お邪魔するぜ」

「ゆっくりして行ってね」

「なぁなぁ陣兄ちゃん。爆発処理の方法教えてくれよ〜」

「新一！」

「だって〜」

そして、新一に困ったことがある。それがこれ。去年までは甘えたな性格な可愛い弟は、どうやら最近は色々なものに興味があるみたいで、隙を見ては陣兄さんや研兄さんに爆発処理の仕方を教えて貰おうとしてる。知識を蓄えるのは良い事だけど、無茶をして欲しくない兄の気持ちを考えて欲しい。でも、考えなしに新一は事件には突っ込まないと信じてる。それに、陣兄さんが教える気満々だから止めることが出来ないんだよね、、、

「こんな物騒な街だと何が起こるかわかんねぇだろ。覚えてて損はない。
　新一はもちろん、Aも覚えとけよ」

「え〜、嫌だけど。それよりも普通に工学を教えて欲しい」

「うるせぇ。ほら、こっち来い」

「こうなった陣平ちゃんは止まらないよ。ごめんけど、諦めてね。Aちゃん」

「はぁ〜」

現在の時刻は夕方17時。絶対教えてもらったら夕飯とお風呂の時間逃しちゃうよね。

「わかったよ。でも、先にご飯の準備だけはさせて」

「なら俺も手伝うよ。
　陣平ちゃんと新ちゃんの2人で先に進めてて」

「おう。楽しみにしてるぜ」

「兄ちゃん達の料理、楽しみにしてる！」

早速2人は陣兄さん特製の設計図を見て勉強してる。いつにも増してやる気に満ち溢れてる。こういうときは目をキラキラして、年相応の反応で可愛い。中身は、可愛くないけどね。

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