爆弾事件 ページ13
「陣兄さんには、研兄さんが居ないとダメだから。
俺たちじゃ、陣兄さんのストッパーにならないから。だから、生きてよ」
俺がそう言うと、研兄さんは困ったように、けれどとても愛おしいそうに俺を見つめ頭を撫でてくれた。
「当たり前だろ〜。
約束するよ、A」
研兄さんと約束した2週間後、恐れていたあの爆弾事件は起こった。
「研兄さんっ!」
「研にいちゃん!」
テレビのニュースで、マンションに爆弾が仕掛けられ解体作業が行われている様子は見ていた。母さんも父さんも難しい顔をして、ニュースを見ていた。2人とも、この事件に陣兄さんと研兄さんが関わっていることは勘付いて居たんだと思う。
そして研兄さんが爆弾に巻き込まれ、緊急入院した事を教えてくれたのは、研兄さんの姉の千速さんからだった。2人を通して知り合った千速さんは、普通の子供よりも遥かに賢い俺らのことを大層気に入ってくれてる。だからこそ、直ぐに工藤家に研兄さんのことを知らせてくれた。
「陣平くん」
「陣ちゃん、大丈夫?」
「優作さん、有希子さん。
新一、A。来てくれたんだな。
すみません、こんななりで」
病室に駆けつけた俺らが見たのは、全身に包帯が巻かれて点滴やら呼吸器やらを付けられて寝ている研兄さん。そして、やつれた顔をした陣兄さんだった。
「陣、、にい、ちゃん?」
「ごめんな、新一。びっくりさせたな」
「研にぃちゃ、、、」
「大丈夫だよ。萩は生きてるから。
新一、呼びかけてくれないか?」
「うん。
研にいちゃん、朝だよ?起きないと、、、」
「新一、泣かなくていいよ。
ちゃんと、研兄さんには伝わってるから」
「うっ、ヒック(涙」
「おいで、新ちゃん」
大好きな研兄さんのボロボロな姿を見て、泣き出してしまう新一。母さんが、新一を抱きしめ慰めてる。
父さんは、陣兄さんに落ち着いてもらうために、何か声をかけてる。多分、寝た方が良いとか休めとかそういうのだと思う。
「っ」
「!
研兄さんっ!?」
「「!」」
今微かにだけど、兄さんの手が動いて、、、
「ゔっ、じ、んぺぇ、、ちゃ。
A、ちゃやみ、んなも、、、」
「萩っ!」
「良かった。どうやら、意識ははっきりしているみたいだね。今、医師を呼ぶから」
陣兄さんはポロポロと涙を流し、父さんは安堵した表情で声をかけた。
母さんも安心した顔で、俺や新一を抱きしめる。この時、この世界に来て初めて俺は泣いた。
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ナナカ(2代目)(プロフ) - このような形のご報告となり、大変申し訳ありません。これからもこのお話を楽しんでいただけると幸いです。失礼します。 (4月27日 23時) (レス) id: ac9b84305f (このIDを非表示/違反報告)
ナナカ(2代目)(プロフ) - そこで、このナナカ(2代目)のアカウントで続きを書くことにしました。まだ準備中ですので、待たせてしまう形になってしまいます。けれど、書くことを辞めたわけではないため、まだ待てる方はもう少し首を長くして待っていて欲しいです。 (4月27日 23時) (レス) id: ac9b84305f (このIDを非表示/違反報告)
ナナカ(2代目)(プロフ) - 更に此処で私のポンコツな部分が出ており、小説のパスワードを忘れてしまいました。どこかでままをしていると思い探しましたが見つからず、このまま小説を書く事が困難となりました。自分のミスでこのような事態を招き、申し訳ありません。 (4月27日 23時) (レス) id: ac9b84305f (このIDを非表示/違反報告)
ナナカ(2代目)(プロフ) - 皆様、更新がかなり停止してしまい申し訳ありません。実はWeb版にログインし、今まで投稿していたのですが、どういう訳かログイン出来なくなり新しくアカウントを作成しておりました。 (4月27日 23時) (レス) id: ac9b84305f (このIDを非表示/違反報告)
roofermiho1002(プロフ) - 夢主のかぁ…ヒロさんもだけど萩原さんも良いんじゃないかな?自分ならこの二人を候補にしたいです。 (2月18日 10時) (レス) @page21 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナナカ | 作成日時:2023年4月22日 21時