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「はぁ、、、」
1ヶ月は思っていたよりあっという間で、気付けば久しぶりの出勤まで残り3日。
彼のおかげで生活習慣は乱れること無く、体調だって整いすぎてるくらい。
(憂鬱、、、)
久しぶりの出勤に会社の事を考えるとどきどきと胸がざわつく。
緊張と不安。
1ヶ月もお休みするなんて、こんなこともう二度と無いんだろうなぁ。
「は〜」
「どしたん」
手帳を開いて何度目かわからないため息をつくと、背後から伸びてきた手は頭を撫でた。
「会社行きたくないなぁ、久しぶりすぎて緊張しちゃう」
「行かんとく?」
え、休む?と彼はソファの隣に座って顔を輝かせるから頷いてしまいそうで危ない。
ふるふると首を振ると、なんやぁ〜と残念そうな顔をされた。
「専業主婦になればええやん」
「えっ」
どきんと心臓が跳ねたのがわかった。
どこでそんな言葉を覚えたんだろう。
ていうか、意味わかって言ってるのかなー?なんて。
「家にずーっといてくれるんやろ?」
「そうだけど、、、」
え、え、なにこれ、プロポーズでもされてるのかなと顔を近付けてくる顔の彼がまともに見れない。
「会社は、ちゃんと行く...」
どぎまぎして出した声は思っていたより小さな声になってしまった。
意味わかってる?なんて聞く勇気もなくて誤魔化すように彼に抱き着いた。
そのまま背中を撫でられて、体重を彼に預ける。
「なんでこんなどきどきしてるん?」
ふふ、とくすぐったい吐息が耳に掛かって誰のせいだと思ってるんだろうと視線を上げると楽しそうに笑う彼の唇が見えた。
「緊張してどきどきしてるだけだもん」
「まだ日にちあるんやから緊張するの早ない?」
「んー」
「ちゃんと頑張って行くの、えらいなぁ」
えらいえらい、と頭を撫でられて少し気持ちが軽くなる。
膝の上に座り直して首に腕を回すとさっきよりも強く抱き締めてくれた。
「ご褒美に土曜日デートしたい」
「来週?」
「うん。だめ?」
「だめなわけないやん」
結局五人で遊んでから、彼の仕事が立て込んでてデートする時間を取るのが難しかった。
私を探してくれていた間まったく手をつけてなかったらしく、パソコンに向かう彼を眺め続けた。
それはそれで、新鮮で楽しかったけど。
「どこ行きたいか考えておいて。今度はちゃんと2人っきりでデートしよな」
「ん」
会社に行くだけでご褒美デートなんておかしいけど、私を甘やかすのが上手な彼は楽しみやねと唇に柔らかいキスをくれた。
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2023年2月9日 20時) (レス) @page10 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
水奈(プロフ) - 何度か読ませていただいている者です。また読みに来ました//// 毎度のことながら作品に引き込まれています、、!最近は気温差激しいのでお体にお気をつけてお過ごしください! (2021年6月30日 21時) (レス) id: c23061aaff (このIDを非表示/違反報告)
碧 - 面白かったです!続き、楽しみにしてます! (2020年5月22日 15時) (レス) id: 2329b8e021 (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - はじめまして!この作品本当に大好きです!何度も読み返してます!無理しない程度に更新頑張ってください!待ってます(^^) (2020年4月30日 1時) (レス) id: 7575f9d0a3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり - 初めまして、1話から一気に読んでしまうほど面白くて、凄く素敵なお話です!わたし自身、せんら推しなので、こんな甘々なせんらさん見れるなんて幸せです!他のメンバーも可愛くて微笑ましいです。無理しない程度にこれからも、更新頑張ってください。応援しています! (2020年3月6日 17時) (レス) id: 7837a845b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年10月1日 3時