285:センラside ページ20
やっと家に帰って来れたばかりなのにやっぱり無理させたかなとなかなか服を脱がないAちゃんに気付いて後悔し始めていたけど、理由は思いもよらない事だった。
(女の子やし、そりゃそうやんなぁ...)
痣や傷を気にしていた。
俺はそれに気付いてあげられない程、今一緒に居れることに浮かれていたらしい。
それでも傷の手当はしなければいけない。
あと、どれ程の傷なのかきちんと自分の目で見ておきたかった。
(思ってたより酷かった、、、)
浴槽に浸かって抱きしめようと湯船から少し出た肩や背中を見て向かい合わせじゃ無くて良かったと顰めた眉に気付いて思った。
紫に広がった痣は背中から綺麗だった項にまで届いていた。
(痛かったやろうな)
なんでもっと早く助けに行かれへんかったんやろ。
なんであの時1人にしたんやろう。
ぐるぐる後悔しか巡って来ないけど過ぎたことを後悔しても仕方ない。
今はこの傷や痣と気持ちの面で癒える事を優先させなくちゃいけない。
なるべく優しく項の痣に口付けるとAちゃんの身体が強ばったのがわかった。
腕を回すと素直に預けられる身体。
どこを見ても痛々しい。
これを忘れちゃいけない。
傷付けたのはあいつだけど、そうならないように守れなかったのは自分。
あんな事を言ったくせに。
手首の傷を見ながらごめんと謝るとAちゃんは忘れちゃったと少し笑った声で答えてくれた。
それに何も言えず抱き締めることしか出来ない。
もう二度と離さない。
目の届かない所で泣くのも、傷付けられるのもこれで最後。
俺が絶対に幸せにする。
「出たらちゃんと手当しようね」
小さい手を握って指にキスをすると照れたように笑った。
(今度はここに指輪を買おう)
どんな指輪にしようかなと唇を落とした白くて細い指を眺める。
Aちゃんは意味をわかってないらしい、手を握ったままの俺になぁに？と視線が向けられた。
「なんでもない。小さくて可愛いなって」
「なにそれ」
「全部可愛い」
ここも、ここも、と頬や耳にキスをしていくと恥ずかしそうに小さく笑いながら逃げようとするけど狭い浴槽で逃げれるはずもなく、俺にされるがままになっていて可愛い。
響くAちゃんの笑い声が耳をくすぐる。
そうやって、ずっと笑ってくれてたらいい。
嫌な事も、怖かった事も、痛かった事も忘れさせてみせる。
(今度こそ、絶対守る)
もちろん、Aちゃんの最期まで。
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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか？と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。（語彙力低下中） (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます！離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております！更新頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー！長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります！ (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )！ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました！w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年8月28日 7時
