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眩しい。
カーテンから漏れる光が朝日より遥かに強い光だった。

(いまなんじ、、、)

回らない頭で手だけ動かして枕元の携帯を探って見るとお昼を過ぎていた。
携帯を枕元に戻していつもと違う事に気付く。
いつも起きるとすぐにおはようと掛けられる彼の声が無い。

(センラ?)

頭を乗せている腕と身体に緩く回されている重みで隣りに居るのは確かなのに。
ゆっくりと振り返ってみる。

(寝てる...)

珍しい。
寝てる姿を見たのはいつぶりだろう。
前はよく一緒に寝ていたけど、少し前からは私が夜中に起きてしまうせいで寝てなかった。
寝る必要の無いらしい彼が寝るという事は、相当疲れてたのかなと寝顔を見つめる。

綺麗な顔。
こんなに睫毛長かったっけ。
あ、ここにホクロある。
口開けて寝てる。

少し開いた唇に目が行くと一気に昨日の事を思い出して心臓が跳ねた。
何も着ていない自分の身体。

(昨日は、、、)

何だか物凄く恥ずかしい事を口走ってしまったような、、、
困った顔の彼になんでと詰め寄ってしまった。
返してくれる言葉が信じられなくて不安だなんて、相当参ってたんだと思う。
いつも以上のキスをしてくれて、素肌に触れられてようやく安心出来た。

久しぶりに何度も名前を呼ばれた。
身体を撫でていく少し冷たい体温。
きつく何度も肌を吸われる感覚。
まだやよ、と艶っぽく口端を上げて離してくれない身体。

「こっち見て」

「可愛いな」

「まだ寝かさへんよ」

(、、、)

嫌でも思い出してしまう彼の声。
今、絶対に顔が赤い。
寝ててくれて良かった。
最後の方はもうあんまり覚えてない。
何回目か分からない程揺さぶれるまま縋り付くしか無かった私に何度も甘い声で好きと言われたような気がする。


起きて欲しいような、起きて欲しくないような。

(センラ)

心の中で呼んでみても、起きる様子が無い。
いつも目覚めると彼の瞳が見つめてくれていたから少し寂しい。

(眠い...)

もそもそと彼の胸元にぴったりとくっついて抱き着くように体制を整えると、彼の腕が動いた。

「、、、センラ?」

「んー、、、え?!」

寝てた!と彼は文字通り飛び起きて私を腕に抱きながら見下ろしている。

「うわ、寝てたやんごめん」

「珍しいね」

そんな慌てる事ないのになぁと笑うと私の顔を見てほっとしたように彼も笑う。

「しんどくない?」

「大丈夫。ちょっと眠いかな」

ごめんね、と頬に柔らかいキスをされて頭を撫でられると幸せで目を閉じた。

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あーりん(プロフ) - 神楽さん» ありがとうございます( ; _ ; )元の甘々要素に戻したくてふんだんに取り入れていこうとしてます、、、w甘々になってるのか?と自問自答付きですがw (2019年9月21日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 甘々ですな...。最高ですな.........。(語彙力低下中) (2019年9月20日 16時) (レス) id: 007b538a5a (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 無為さん» コメントありがとうございます!離れてさせていた分これからは暫くは穏やかな2人をお送りできればなーと思っております!更新頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 珠菜さん» ありがとうございますー!長いだけのお話なのに一気読みありがとうございます、お疲れ様でした( ; _ ; )これからも楽しんで頂けるように頑張ります! (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ゆうさん» 楽しみにして頂けていて嬉しいです( ; _ ; )!ハラハラしてもらうのが目的だったのでゆう様にそう言って頂けて、伝わってるんだなと安心出来ました!w (2019年9月16日 2時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月28日 7時

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