260:うしさside ページ39
○坂田side○
高等な妖になると相当な事が無い限り命を落とす事は無い。
だから死ぬことはないけど今のセンラは見ていられなかった。
日に日に憔悴していく仲間を、どうするのが正解なんやろ。
もちろんAちゃんの事はみんなで探してる。
それでも見つからない事に焦りがあった。
自分やうらたさんの様に飛べるわけじゃない。
あんなに走り続けて、きっと人間だったらとっくに倒れているはず。
それでもセンラはAちゃんの名前を呼び続けて、走り続けた。
綺麗だったセンラの声は掠れて、泣いているように聞こえて辛い。
羨ましい程幸せそうだったのに。
センラとAちゃんが隣同士で笑っているのが羨ましかったし憧れだった。
あんな声でAちゃんを呼ぶセンラを、もう見たくない。
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○うらたside○
何日も走り回るセンラを一度家に帰ろうと説得しても全く聞く耳を持たない。
そんな暇があるなら探したいと俺を振り切ってまた走り出すセンラを止められなかった。
何であの時一人にしたんだとあれから自分を責め続けているのを知っている。
それは俺も同じ。
こんな事になると思ってなかった。
帰ってきたら煩いほどにAちゃんAちゃんとじゃれついて見たくもないいちゃつきっぷりに呆れる予定だったのに。
二人には、いつも笑っていてくれないと困る。
それに慣れてしまった。
今まで聞いた事も見た事も無いような声と顔でAちゃんに甘えるセンラは幸せそうだった。
それを文句を言いながら眺めるのが楽しかった。
だから早く、センラにAちゃんを返してやってくれ。
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○志麻side○
良く言えば冷静。
悪く言えば無頓着。
長い年月一緒にいて何かに執着するなんて事は無いと思っていたセンラは今、たったひとりの人間の女の子の為に必死になってる。
そんなにええもんなんかなと二人を見て思っていた。
恋愛なんて、何百年もうしてない?
それでも、好きな相手と一緒にいるとこんなに幸せになれるもんなのかと二人を眺めるのが楽しくなっていった。
どれだけ大事にしていたか知っているから、誰もセンラを止められない。
あんなに優しくAちゃんを見つめていた目は、見た事も無い鋭い眼光になってる。
今まで見た事の無いセンラに正直どうしたらいいのか分からないのが情けない。
だから、探すしかない。
センラを変えたあの子を無事に戻すまでは俺も足を止めちゃいけない。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時