242:うしさせ天 ページ21
「早く行くぞ」
「だから、行かへんって!」
目の前でさっきからうらたんと彼が何やら言い合いを始めたなと思っていたけど、長い。
さっさと支度しろと言う三人(主にうらたん)に、彼は行かない、行きたくないとしか答えない。
何の事だろうと首を傾げているとベランダにまた人影が見えた。
「天月さん、、、?」
「こんにちは」
いつもスーツ姿しか見たことが無かったから、さかたんと同じように箒を持ってローブ姿なのに違和感しか無い。
魔法は色々見たけど、やっぱり魔法使いだったんだなぁと実感する。
迎えに来たという天月さんはにこやかな笑顔を見せると彼は気まずそうな顔をした。
「お前ら狡いぞ」
天月さんまで来ると思ってなかったらしい彼は私の顔を見て悩んでいるようだった。
「出掛けるの?行ってきたら?」
「ほら、Aちゃんもそう言うてるやん」
何処へ行くのかは分からないけど、とりあえずみんな彼に来て欲しいらしいことはわかる。
私の言葉に、彼は悩んでいる様だった。
「Aちゃん、ちょっとセンラ借りてええ?」
「うん?どうぞ」
お前やっぱり言うてなかったんか!とさかたんは何やら珍しく怒っている。
実は、とさかたんが彼を怒っている間にまーしぃが説明をしてくれた。
「この時期はこの辺、下級な霊とか妖が増える時期やから毎年俺らみたいな上級の妖怪は別で宴を開いてるんよ」
「へぇ、、、」
お盆だからかなぁとぼんやり思う。
「前に大きい争いがあったって言うてたやろ?それでみんなセンラが怪我してるのも知ってるし、大怪我やったからしばらく寝てると思ったのに今こうやってピンピンしてる姿を知って会いたがってる奴らが多いんよ」
なるほど、と彼を見ると未だにうらたんとさかたんと行かないと言い合いをしていた。
「行ってきたら?ずっと行く訳じゃないんでしょ?」
「ほらぁ!Aちゃんもこう言ってくれてるやん!」
「だって、、、」
風邪気味やし、心配やから離れたくないと言う彼の言葉に、私が原因だったのかと申し訳なくなってしまう。
「大丈夫だから。ね?」
「えぇ〜」
顔に行きたくないと書いた彼は唸りながら私の顔を見上げてくる。
「みんな会いたがってるって言ってるし行ってきなよ」
「行きたくないなぁ、、、」
だってAちゃん、まだ鼻声やしと私の肩にカーディガンを掛けながら私にしか聞こえない声を漏らした。
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あーりん(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!甘い二人が書きたい私としては早くこのシリアスを抜けたい所ですがしばしお付き合い下さい!笑 (2019年8月27日 21時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
めめ(プロフ) - 更新お疲れさまです(^^)いつも楽しみに待ってます!シリアス展開なのに先が気になってワクワクしていますw更新頑張ってください! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 08075475cf (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - 怜莉さん» 楽しみに待って頂いているのがすごく嬉しいです!( ;__; )コメント頂けてとても励みになりますー!少しシリアスなお話が続きますがお付き合いよろしくお願いします! (2019年8月27日 15時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
怜莉(プロフ) - 更新ありがとうございます!いつも楽しみで、今か今かと待っていますw個人的になんで話数毎の評価ができないんだーーーーー!!!と嘆いていますwこの先の夢主ちゃんとセンラさんがどうなるか気になります!更新頑張って下さい!待ってます! (2019年8月27日 10時) (レス) id: 0408e10153 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ぷーさん» ありがとうございますー!これからもよろしくお願いします!あと、課題頑張って下さい!!w (2019年8月27日 1時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年8月8日 4時