199:お風呂 ページ20
「、、、入浴剤いれすぎちゃう?」
「文句言うなら入らない」
「これくらいが丁度ええなー」
先に浸かってるから呼んだらタオル巻いて来てね、呼んでないのに来ないでね、変なことしないでねと入る前に言うと注文が多いなぁと呆れた様に笑っていたけど入っていいよと呼んで浴室に来た彼はきちんと言うことを聞いてくれていた。
(恥ずかしい...)
乳白色の入浴剤を沢山入れても一緒にお風呂なんて恥ずかしい。
でも彼はいつもことある事に一緒にお風呂に入りたいと言っていたからか上機嫌で鼻歌を歌いながら湯船に片脚を入れている。
「よいしょー」
「、、、」
当然のように両脚の間に座らされて背中に彼の素肌を感じるのに違和感しかない。
お腹にまわされた腕も服を着ていないだけでこんなに緊張するのかと顔は見えないはずなのに俯いてしまう。
「ふ、首真っ赤やで」
「ちょ、、っと!」
うなじに唇の感触を感じて焦る。
隠すものなんてないし浴室ってこんなに明るかったっけ?といつもは思わないことまで思う。
「ごめん、なんもせーへんから」
ほら、足伸ばして座ってと言われるがまま腕の力に従って背中を預けると彼の身体にすっぽりと収まってしまった。
溜めたお湯はそんなに高い温度にしていないのに、もう逆上せてしまいそうなくらい身体が熱い。
「緊張してる?可愛いな」
「、、、恥ずかしい」
密着しているからか耳のすぐ側でする彼の声がくすぐったい。
大きな声じゃないのに響いて聴こえるいつもと違った聴こえ方にもどきどきしてしまう。
「俺は嬉しい」
「一緒にお風呂?」
「そう。楽しい」
恥ずかしくてほとんど話さなくなった私とお風呂なんて何が楽しいんだろうと思うけど彼はそんな事気にしてないようで少し出た私の肩にお湯をかけてくれている。
お互い無言の中、肩にお湯をかけてくれている水音だけが響く。
(甘えられる時に甘えておかないと明日は絶対さみしいしなぁ)
まわされたままの片腕に手を添えて思い切って身体の力を抜いて彼の身体に体重を預けるとすぐに髪にキスをされた。
「可愛い。すきやで」
浴室に響く彼の甘い声に返事が出来ない。
それでも彼は平気みたいで添えた私の手を握り直して黙ったまま恋人繋ぎにした。
彼の肩に頭を乗せたままぼーっとしているとふわふわした気持ちになってきた。
眠くてふわふわした時とは違う。
(幸せ)
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あーりん(プロフ) - 折_こたぬきさん» わー!貴重な男性コメントありがとうございます!!しかもキュンキュンして頂けているとは、、、すごく嬉しいです!!次のお話でも宜しくお願い致します! (2019年8月8日 3時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
折_こたぬき - 初コメ失礼します!初投稿から男子1人でずっとキュンキュンさせてもらってます!これからも更新頑張ってください! (2019年8月8日 2時) (レス) id: 5fe8b549a6 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ☆レム☆さん» 大好きと言って頂けて嬉しいです( ;__; )!長くお付き合い頂いてありがとうございます!もちろんこちらもフォロバさせて頂くので宜しくお願い致します! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - またよろしければTwitterのほう、フォローさせていただいてもよろしいでしょうか?長くなってしまい申し訳ありません。これからもずっと応援しております(*^^*) (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - はじめまして、コメント失礼いたします。投稿当初からずっと読ませていただいております。読む度に幸せな気持ちになれるこの作品が本当に大好きです(*^^*)無理はせず、あーりん様のペースで更新なさってくださいね!これからも楽しみにしております! (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年7月14日 15時