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夕食を外で皆で食べている最中携帯を見ると彼からLINEが届いていた。
ホテルの壁が薄くて電話が出来そうに無いと送った返事かなと見てみると思っていたLINEと違っていた。
センラAちゃんが居なくて不機嫌なセンラ
三人の誰かが勝手に撮った様でソファの肘掛に肘をついてテレビを見ている彼の横顔は機嫌がいいとは言えない顔。
(拗ねてる?)
唇が拗ねている時の形をしていて緩みそうになる顔を咄嗟にメニュー表で隠すと何か頼みますかと天月さんの課の社員さんに声を掛けられて焦る。
天月さんは彼が言っていた通り病欠をしたらしく居なかった。
知った顔が一人でもいればこの憂鬱ももう少しマシだったかなぁとそこまで飲みたくないアルコールを皆に合わせて頼んだ。
続けてムービーも送られてきていて流石にここで見るのは不味いなとトイレへ駆け込んだ。
最初にさかたんの声がすぐに耳に入ってくる。
「センラー、Aちゃんに写真送るねんからちゃんと笑いやー」
「おらんから笑われへん」
「なんなんお前」
「Aちゃんがっかりすんぞ。笑え」
「Aちゃーん」
まーしぃがひらひらと裏声なのか高い声で私の名前を呼んでカメラに向かって手を振っている。
それを見た彼の顔色が変わった。
「おい坂田。これ写真ちゃうな?!」
「動画で〜す」
「ふざけんな!絶対送んなよ!」
くすくすと笑うさかたんの声がして賑やかないつものみんなの様子でなんだかほっとする。
「Aちゃんおらんくて機嫌が悪すぎるセンラくんでーす」
「、、、」
カメラを向けられた彼は目を細めてさかたんを睨み付けている。
いつもの喧嘩で楽しそうだな、いいなぁとすぐに帰りたくなってしまう。
「なんか言いや」
「、、、早く帰ってきて」
「きゃー!」
三人がわざとらしく囃し立てると彼はうるさいとますます不機嫌な顔になっていく。
「Aちゃん仕事頑張ってねー!」
「頑張れー」
「ばいばーい」
写りこんださかたんの顔でみんなは見えなくなったけど声だけはハッキリと聞こえた。
早く帰ってきてと小さく早口な彼の言葉がもう一度聞きたくて再生をタップする。
(はやく、帰りたい)
いつもならこの時間は彼と電話しながら家に帰っている時間なのに。
目を閉じて携帯から聞こえてくる皆の賑やかな声をもう一度聞き終えてから深呼吸をして席へ戻った。
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あーりん(プロフ) - 折_こたぬきさん» わー!貴重な男性コメントありがとうございます!!しかもキュンキュンして頂けているとは、、、すごく嬉しいです!!次のお話でも宜しくお願い致します! (2019年8月8日 3時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
折_こたぬき - 初コメ失礼します!初投稿から男子1人でずっとキュンキュンさせてもらってます!これからも更新頑張ってください! (2019年8月8日 2時) (レス) id: 5fe8b549a6 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ☆レム☆さん» 大好きと言って頂けて嬉しいです( ;__; )!長くお付き合い頂いてありがとうございます!もちろんこちらもフォロバさせて頂くので宜しくお願い致します! (2019年8月8日 0時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - またよろしければTwitterのほう、フォローさせていただいてもよろしいでしょうか?長くなってしまい申し訳ありません。これからもずっと応援しております(*^^*) (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
☆レム☆(プロフ) - はじめまして、コメント失礼いたします。投稿当初からずっと読ませていただいております。読む度に幸せな気持ちになれるこの作品が本当に大好きです(*^^*)無理はせず、あーりん様のペースで更新なさってくださいね!これからも楽しみにしております! (2019年8月7日 23時) (レス) id: d6601494c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あーりん | 作成日時:2019年7月14日 15時