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「Aちゃん」
「なに？」
「好きやで」
「え、、、はい」
信号待ちしていると繋いでいた手を引かれ、顔を上げると真剣な顔で見下ろす彼の唐突な言葉にまた酔いが回ってきたような気がする。
(急に何、、、)
「あいつより、俺の方が好きやで」
「、、、」
あいつより、と含みのある言い方をされてなんて答えていいかわからず黙ったまま彼を見つめる。
「ちょっと、何か言うてよ。さみしいやん」
さみしい、と口を尖らせる彼に笑みが溢れる。
「何笑ってるん」
「こんなにセンラしか見てないのに」
私のことわかってないねと笑って信号が変わった横断歩道に一歩踏み出すと、ちゃんと言って！と彼は拗ねたように私の手を引いた。
「まぁええわ。それは帰ってからじっくり話そ」
「えっ」
私は話すことないんだけどなぁと思うけど帰り際のあれは私もどうしていいかわからなかったし彼がちゃんとしっかり断ってくれて良かったと横顔をちらりと見上げた。
「うわぁ、凄い人やねえ」
駅が近付くにつれ人も当然多くなる。
週末ともなれば尚更。
「まだちょっと早い時間だしね」
お店も開いているからかショップの中にも当然人は多い。
「あ、センラ」
「んー？」
どうしたん、と立ち止まった私にのんびりと彼が振り向く。
「あのお店ちょっとだけ見たいな。大丈夫かな？」
いつも残業して帰ると閉まっているお店が開いていて、前に買いたかった物がまだ売られているのか知りたかった。
「坂田のこと？大丈夫やろー」
時間もまだあるし、と腕時計を見る彼は社会人そのものの姿でその姿に見とれてしまった。
「じゃあちょっと付き合ってね」
「おっけーい」
小さいお店の中に入りアクセサリー類のコーナーに行くと、お目当てのピアスはまだ売られていてよかったとすぐに手に取った。
「可愛い。似合いそう」
「これとこれで迷ってこの間買わなかったの」
どれ？と彼の顔が近くに来てどきどきする。
これ。ともうひとつを指さすと彼が手に取って私の耳にあてて、こっち向いて？と優しい声がする。
「こっちかなぁ？」
どっちも似合ってるけど、と優しく笑う彼は家で見る姿と少し違って見えた。
「これも可愛い」
小さなストーンのシンプルなピアスを選んでまた同じようにあてられる。
ちょっと地味か、と商品を戻す彼の姿を鏡で見て、周りから見れば普通のカップルに見えるのかなとぼんやり思った。
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あーりん(プロフ) - lonleyさん» コメントありがとうございます！やっと書き始める事ができたのでのんびりにはなると思いますが読んで頂けると嬉しいです★ (2019年7月11日 23時) (
レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - ふらわぁさん» 気味悪さを表現したかったので、最高の褒め言葉ですwありがとうございます！笑 (2019年7月11日 23時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
lonley - すごくおもしろかったです！ 坂田くんver.気になって仕方ありません！！ これからも頑張ってください！ 応援してます！ (2019年7月10日 21時) (レス) id: 39388112b7 (このIDを非表示/違反報告)
ふらわぁ(プロフ) - おかえりってところでゾクってしましたw (2019年7月10日 20時) (レス) id: c190ba3ed4 (このIDを非表示/違反報告)
あーりん(プロフ) - もえかさん» コメントありがとうございます！どちらも読んで頂けて嬉しいです( ；__； )今後もよろしくお願いします！ (2019年7月7日 16時) (レス) id: 509e058229 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーりん | 作成日時：2019年6月19日 6時
